Zigbee振動センサー (1,219円) をHomeKitで使う

非対応品を使う

Zigbee方式の振動センサー (送料込み1,219円) をZigbee2MQTTとペアリングして、HomeKitから使ってみました。HomeKitでは動きセンサー (motion sensor) として動作します。磁石を用いる接触センサーとは違う事象を検知をしますので、使い分けて活用できると思います。

振動センサー

AliExpressで、Zigbeeセンサーを検索していたら、安価な振動センサーが見つかりました。本体919円、送料300円です。 2個以上買うと、送料無料になります。最近登場したのかもしれないですし、以前からあったけど気付いてなかったのかもしれません。振動を検出するセンサーで、玄関ドアや、貴重品に取り付けて、防犯目的に使えます。機器の動作検出にも使えそうです。試しに使ってみることにしました。

開封する

2個以上購入すると送料無料だったので、2個購入しました。なので購入価格は1個当たり919円です。損傷の無い綺麗な白い紙箱に入って届きました。それぞれ、エアキャップに包まれていて、Aliには珍しく丁寧な梱包でした。Tuyaのロゴがあります。Zigbeeの他に、Wi-Fiバージョンもある(あった?)様子です。

裏には簡単な仕様が書いてありました。単4電池搭載で待機電流が小さいので、省電力設計のようです。

開封すると、中には、本体、説明書、リセットピン、両面テープが入ってます。

箱の中身

マニュアルの内容は、以下です。

取扱説明書

ここまで、どこにもメーカー名は出てきませんが、AliExpressの販売サイトでは、IHseno Top Sotreというページで販売されています。IHSENOのZigbee製品として、以前、接触センサーを紹介しました。コスパの良い製品なので、複数使用しています。

分解する

本体の端には、リセット穴が見えます。この中の押しボタンスイッチを5秒長押しすると、リセットされて、Zigbeeのペアリングモードになります。

リセット穴

裏蓋をスライドさせると、単4電池が入れられます。

単4電池ボックス

単4電池ホルダーの部分を引き上げると、その裏側に回路基板がありました。基板にも、IHSENOと書かれています。基板製造段階から関わっている会社のようです。左にあるのがワンチップコンピュータで、ZTUという文字が見えます。TuyaのZigbeeチップです。

以前に、温度湿度センサー磁気接触センサーを紹介しましたが、割と似てます。ちなみに以下が温度湿度センサーの基板で、

以下が磁気接触センサーの基板です。

振動センサーの特定はできませんでした。CPU・抵抗・コンデンサ以外のチップ部品が、一つだけあります。下の丸印の部分です。

拡大すると、6XA XAという文字が見えました。ただ、検索してもそれらしいチップは見つかりません。ご存知の方いらしたら、ぜひコメントでお知らせください。ちなみに、電池ホルダーからのハンダ付を外して、基板の裏側も確認しましたが、裏面には部品がありませんでした。なので、これが振動センサーなのではと思います。

振動センサ部品?

Zigbee2MQTTとペアリングする

このセンサーはTuya準拠ですので、HomeKit対応のTuya用Zigbeeゲートウェイを使えば、HomeKitからも使えます。例えば最近買ったMOESのZigbee – Matterゲートウェイを使えば、この振動センサーがMatter対応センサーとして使えるはずです。

上記は誤りでした。コメントでご指摘いただき確認したところ、使えませんでした。手元にあるTuyaの壁スイッチ、電球、シーンボタン、温度湿度センサー、接触センサーはMatterデバイスとして見えるのですが、振動センサーだけは非対応のようです。ということで、メーカー製ゲートウェイには期待できないので、今までと同じく、Zigbee2MQTTにペアリングしてHomeKitで使います。

このためには、Zigbee2MQTTサーバが稼働していて、MQTTブローカー (Mosquitto) が動き、Homebridgeが動いていて、さらにHomebridgeにZigbee2MQTTを使用するプラグインが入っている必要があります。これらをRaspbetty Piで動かしてます。

これらの設定に関しては、以下をご覧ください。

HomeKitでZigbeeを使う:Zigbee2MQTTを導入する
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ずっと品切れだったRaspberry Pi 4が入手できたので、 Homebridge本体と Mqttthingプラグイン Zigbee2MQTTプラグイン Mosquitto Zigbee2MQTT をインストールしました。補助記憶にはU...

まずは、Zigbee2MQTTのwebインタフェースからペアリングします。ペアリングモードがoffに設定してある場合は、webインタフェース右上のPermit join (All)のメニューをクリックしてペアリングを許可します。すると5分間、ペアリングが可能になります。

この状態で振動センサーの横にあるリセットボタンを5秒程度長押しします。するとペアリングモードに入り、LEDが点滅します。ただ、今回は購入したばかりで工場出荷時状態でしたので、電池を入れるだけで、ペアリングモードに入りました。ペアリングの進行に伴って、webインタフェースには以下のようなメッセージが出ます。

Pairing messages.

ペアリングが終了すると、以下のようにセンサを確認できました。

HomeKitから使う

HomeKitにz2m pluginが入っていれば、自動的に認識されてます。その結果、iPhoneやMacのホーム.appの上部に、「動き」として表示されます。これをクリックすると、このセンサがモーションセンサーとして表示され、詳細設定が可能になります。

ここでは「動きを検知した」または「動きの検知を停止した」場合のオートメーションを設定できます。また、iPhone, Macへの通知も設定できます。

動作確認

センサーの動作を試してみました。机から静かに持ち上げたり、空中でゆっくり動かしたり、静かに机に置く程度では、反応しません。ただ、滑らかな動きであっても、速く動かすと反応します。一方、振動には敏感で、センサーを他の物にコツンと当てる動作はほぼ確実に検出されます。

防犯目的で玄関ドアに取り付ければ、振動で反応しますし、貴重品に取り付けておけば、持ち去ろうとすると反応します。ドアや壁のノックにも反応しますので、防犯以外にも面白い用途があるかもしれません。

Zigbee2MQTTのwebインタフェースで、Exposesのタブを選ぶと、スライダーで感度の設定ができます。0から50までで、0が高感度、50が低感度です。取説にも記載がありますが、センサーが待機状態にあるとZigbeeメッセージを受け取らないようで、感度設定に失敗します。少し揺らして動作状態にするか、もしくは取説にあるようにリセットボタンを1回押しすると良いようです。

ただ、感度を変更しても、それほど違いは感じられませんでした。デフォルトの25で良いと思います。

まとめ

安価なZigbeeの振動センサーを、Zigbee2MQTTにペアリングして使いました。HomeKitからは、動きセンサーとして利用できます。ゆっくりとした動きは検出できないこともありますが、コツンと当てる程度の振動には反応します。磁石近接センサー、人感センサーなどと同じような用途に使えますが、特性がそれぞれ違うので、適材適所で場面に合わせて使用するのが良いと思います。

コメント

  1. go-further1090 より:

    こんにちは。いつも拝読しています。
    こちらのセンサーを、Homekitに接続したMOESのZigbee – Matterゲートウェイに登録しても、ホーム.appには当該センサーが表示されなかったのですが、そういうものなのでしょうか。
    お時間許す際にご教示願えますと幸いです。

  2. diysmartmatter より:

    情報ありがとうございます。こちらでも確認したところ、ご指摘のように、振動センサはMatter側から見えない仕様のようでした。MOESのアプリ(またはTuyaのアプリ)の中で、振動センサに対する応答を定義する仕様のようです。IKEAのZigbeeスイッチもHomeKit側からは見えない仕様なので、そういうものなのかもしれません。将来のアップデートで対応してくれることに期待したいです。

    Zigbee2MQTTをメインで使っていて、市販のZigbeeゲートウェイの動作確認が不十分でした。すみませんでした。記事の方にもおいおい訂正・加筆しておきます。

    • go-further1090 より:

      早速のご返信ありがとうございました。そして批判投稿のようになってしまい申し訳ありませんでした。「Homekitゲートウェイでダメでも、matterゲートウェイならひょっとしたらうまくいくのかも」と自己責任でギャンブルしてみた、というところでして、うまくいかなかったこの挙動が果たして自分の環境起因なのか、仕様なのか、を単純に知りたかったので質問させていただいた次第です。
      不快な思いをさせてしまい重ねてお詫び申し上げます。
      そういう(アプリの)仕様だ、ということで、わざわざ検証までしていただき、感謝申し上げます。
      しかしzigbeeのセンサーやスイッチの、Homekit側での見え方の差異は、どういう基準でそうしているのか、素人には不思議です(Hueはスイッチもセンサーも見えるのに、IKEAはセンサーだけ見えてスイッチは見えない、など)。
      今後の記事も楽しみにしております。この度はありがとうございました。

      • diysmartmatter より:

        検証不足がわかって助かりました。今後も気軽にコメントいただければありがたいです。

        その後、押しボタンスイッチ、温度湿度計、などもMatterから見えていることを確認できました。調べた範囲では、どうやら振動センサーだけがMatter未対応のようです。Z2Mプラグインでは「振動センサ」を「人体モーションセンサ」に割り当ててますが、ちょっと無理がある気がします。振動センサに合致したカテゴリがMatter規格に(たぶん)無いので、未対応なのかもです。

        • go-further1090 より:

          重ねてのご返信恐縮です。振動センサーだけが仲間外れなんですね…防犯に使えればと思ってたのですが残念です。でもおっしゃる通り振動センサーをモーションセンサーと割り当てるのは違和感がありますからね。matterの定義待ちだとすると先は長そうですが、実現を待ちたいと思います。
          いろいろとありがとうございました。

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