ちょっと前にRing Video Doorbell 4を買ってHomeKitに接続しました。Ringのアプリを使ってのビデオドアベルとして、そこそこ使えます。Homebridgeのプラグインがあり、それを使うとHomeKitからも一応使えます。「そこそこ」とか「一応」とかの歯切れの悪い状態だったのでボツネタにしてたのですが、ブラックフライデーセールでなんと半額になってました。この金額なら試しに使ってみる価値があると思います。(追記:半額セールが終了して元の価格に戻ってました。)
Ringのドアベル
日本では全然流行っていないWiFi接続のビデオインターフォンです。パナソニックやアイホンの製品は一般的ですが、これらは専用子機を使って家の中で使うことを主に想定してます。スマホからアクセスできる機種もなくはないですが、割高です。Google, Amaozn, Appleのエコシステムと連携できる機種に至っては皆無です。
海外では、中国メーカの格安製品(多くはGoogle, Alexa対応を謳ってます)から、Apple HomeKitにも対応する高級品まで、色々と選択肢があります。Ring Doorbellは、メーカーとしてはHomeKit非対応ですが、オープンソースの完成度の高いHomebridgeプラグインがあり、Homebridgeユーザの中では人気の機種でした。少し前から、日本のAmazonでも取り扱われるようになっていたので、その時に購入してHomeKitから使ってみました。
通常価格は高めですが、冒頭で紹介したようにセールで半額になってます。
通常のセットアップする
まずは製品マニュアルに従って、通常のセットアップをします。玄関に取り付けて、Ringのスマホアプリをダウンロードして、ユーザ登録して、WiFiを設定します。これで普通に使用開始できました。ボタンを押すと、アプリに通知が来て、スマホ画面で来客者とビデオ会話できます。
映像は綺麗なのですが、ドアベルが押されてから、ビデオ会話できるまでの時間は少し長いです。場合によっては20秒くらいかかります。玄関の外と接続するので家の中のWiFiが届きにくいこともあります。バッテリーが1ヶ月弱でなくなるので充電が必要です。それで、玄関に古いインターフォンの配線が来ていたので、これに12V ACを流して常時充電できるように改造しました。給電がACである必要があるので注意です。バッテリー無しの有線給電専用モデルも出して欲しいと思いました。
Homebridgeから使う
Ring DoorbellをRaspberry Pi 4で動作させているHmebridgeに接続して、HomeKitから使用します。このために、Homebridgeプラグイン, homebridge-ringを使用しました。Homebridgeのwebインタフェースのプラグインページから、Ringと検索すると現れます。
こちらがgithubのサイトです。
インストール後に、「設定」ボタンを押すと、Ringアプリのアカウント情報の入力を求められます。Ringアプリの方で2段階認証を済ませておくと良いです。
ここで「LOG IN」ボタンを押すと、コードの入力を求められます。2段階認証で登録してある電話番号にsmsで届いた数字を入力します。
この結果、自動的にRefresh Tokenが設定されます。Refresh Tokenは、ターミナルのコマンドライン操作でも入手可能らしいですが、homebridge-ringプラグインはGUIで取得できるようになってます。
ちなみにこのTokenは、いったん使用すると2分後に無効になって、新しいTokenが交付されるようです。homebridge-ringプラグインはそれを自動的に更新して、configファイルに書き込んでくれるらしいです。configファイルには、以下の項目が追加されていました。
{
"refreshToken": "XXXX..実際は長いです..XXXX",
"platform": "Ring"
}
これで設定は終了で非常に簡単でした。iPhoneやMacのホームからビデオドアベルの映像が見られます。クリックすると、ライブビデオが見られて、会話することもできました。
Ringアプリとホーム.appの違い
こちらのページに、Ringアプリでできることと、HomebridgeでHomeKitに接続した場合にできることの比較表がありました。
ほぼ同じでした。HomeKitに接続するとApple TVから使えるのですが、Ringアプリの方が、応答時間と置き配検出で優れてます。HomeKitから使う場合、Ringのクラウド以外に、場合によってはiCloudも使うことになるので、応答速度は仕方ないところです。
HomeKitで使う一番のメリットは、他のアクセサリと統合できる点ですね。ドアベルは、カメラ映像から画像解析していて、モーションセンサとしても動作します。なのでHomeKitオートメーションで誰かがきたら玄関先の明かりをつけるなどの設定が可能です。
ただ、実際に使ってみたところ、HomeKit経由でビデオ会話を行うと、音声がかなり歪んでいました。WiFiの状況がたまたま悪かった、インターネットの接続がたまたま遅かったなどの要因も考えられるので、いつでもそうとは限りませんが、同じ時点で、Ringアプリでは割と明瞭に会話できました。
RingアプリとHomeKit側は、同時に稼働させることができるので、HomeKitは玄関の様子を見守る用途で使っていきたいと思います。
Chime Pro
オプションとしてChime Pro(チャイムプロ)があります。これがあると、ドアベルを鳴らした時に、チャイムが鳴ります。それだけではなく、WiFiのリピーターになってます。マンションのような鉄筋構造で、ドアも金属の場合は、ドア外のビデオドアベルにWiFiが届きにくいです。なので、これを玄関内側に置いておくと、接続が安定します。少し高価ですが(6,000円弱)、とりあえずはチャイムが鳴るので、システムが不安定な時にもあると安心です。ただ、かなり発熱します。
チャイムプロの良いところは、これもHomebridgeのプラグインのおかげで、HomeKitから複数のスイッチとして見えることです。それぞれのスイッチが、登録された音に対応しているので、オートメーションで色々な音が出せます。
まとめ
RingのドアベルをHomeKitから使いました。
Ringのアプリを使っても、ビデオ会話を開始するのに20秒くらいかかることがあることもあり、応答速度が気になりました。多忙な宅配の方などは、待ってくれないことが多かったです。
一方、Homebridge経由でHomeKitからも使用できました。プラグインがよくできていて設定はとても簡単です。ただ、ネットワーク環境のせいだとは思いますが、音声が歪んでしましました。玄関の様子を見る手段には問題なく使えます。
Matterの最初のバージョンにはビデオドアベルの規格もあります。Matter対応のドアベルが製品化されることに期待してます。
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