Zigbee壁スイッチ(中性線付)をHomeKitで使う

非対応品を使う

前回に引き続き、Zigbeeで動作する壁スイッチモジュールを使いました。今回は、中性線が必要なタイプの3 gangのモジュールを使いました。これを、既存の2連壁スイッチに組み込みました。

壁スイッチモジュール

既存の壁スイッチに組み込んでスマート化する、壁スイッチモジュールを紹介してきました。Zigbee方式のものと、

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Matter over Wi-Fi方式のものです。

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今回は、再びZigbee方式のモジュールを使用して、既存の2連壁スイッチをスマート化しました。使用した壁スイッチモジュールは、前回と同じく、こちらのページから購入しました。本来はTuyaのハブを使うことを前提にした製品ですが、Zeigbee2MQTTでもサポートされています。

この販売ページには、中性線無しと、中性線有りの2種類があります。前回は中性線無しを使いましたが、今回は中性線有りにしました。今回の壁スイッチの近くにはコンセントがあり、中性線が来ていました。なので、中性線付きのモジュールが使えます。今までの経験では、中性線無しの場合、素早くOn/Offをすると、照明が暗くなることが稀に発生しました。電力不足で、電圧低下しているのかもしれません。中性線があれば、それを活用した方が安定動作するようです。また、既存の2連スイッチのうちの3個をスマート化したかったので、3 gangの製品を購入しました。

開封する

中性線無しのモデルと同様に、ごく普通の白いボール紙に箱に入って到着しました。内容物を示した簡単なラベルが貼られてます。100Vにも対応していると書かれてます。

開けると、本体、取り付けクリップ、英文マニュアルが入ってます。

配線する

マニュアルには、手動スイッチを取り付ける場合の配線図として以下の図が載ってます。スイッチの配線をCOM端子に接続すれば良いようです。

配線が複雑になるので、通常のVVF線の銅単線では取り回しが難しいと考えました。そこで、単心ビニールコードVSFというケーブルを近所のホームセンターで見つけました。1.25SQの太さで、1.2Aは流せるようです。Amazonだとこちらの製品です。300V以下の配線で使用できるようです。これをスイッチモジュールに取り付けました。

線の末端の被覆を剥いて、ハンダを施したところ、屋内配線に使うVVF線の1.6mm/2.0mmくらいの太さになりました。スイッチ器具の差し込み口にもしっかり嵌って、固定されるようです。正しい使い方では無いかもしれませんが、電流が少ないこともあり、器具に差し込んで使うことにしました。

壁スイッチへの組み込みは、以下のようになりました。床近くにあるコンセントへの送り線などもあり、結構な配線量になりました。でも柔らかい線材なので、取り回しは楽です。

これらを壁の中に押し込んで、スイッチパネルを取り付けました。左下の「換気扇」以外の3個のスイッチがスマート化されました。

Zigbee2MQTTにペアリングする

これをいつものようにZigbee2MQTTで直接接続して使用します。Zigbee2MQTTサーバ、MQTTブローカー (Mosquitto) 、Homebridgeが動作していて、さらにHomebridgeにZigbee2MQTTを使用するプラグインが入っている必要があります。手元の環境では、これらをRaspbetty Piで動かしてます。

設定の詳細に関しては、以下をご覧ください。

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このスイッチモジュールは、接続した実スイッチを5回On/Offするか、もしくはリセットボタンを10秒長押しすると、Zigbeeのペアリングモードになります。リセットボタンを長押ししたところ、内部の青いLEDが点滅しました。モジュールがペアリングモードになったところで、Zigbee2MQTTのWeb UIでペアリングを有効にすれば、

10秒くらいでペアリングが完了します。デバイスページを見ると正しく認識されている様子がわかります。

HomeKitから使う

これでiPhoneやMacのホーム.appに、以下のようにスイッチが現れます。3 gangのスイッチなので、デフォルトでは一つのタイルに3個のスイッチがまとめて表示されます。設定から、個別のタイルに表示するよう指定すれば、3個の個別のスイッチとして表示されます。

スイッチのタイルをタップすると、電球をOn/Offすることができます。既存のパナソニック壁スイッチからもOn/Offすることができます。

ZigbeeとWi-Fiのどちらが良いか

冒頭でも述べましたが、壁スイッチモジュールとして、Zigbee方式のものと、Matter over Wi-Fi方式のものを使ってきました。

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どちらを選ぶかを考えると、今の段階では、Zigbee方式が良いと思います。ZigbeeとThreadは、無線プロトコルとしてIEEE 802.15.4を、一方でWi-Fiは、IEEE 802.11を使ってます。IEEE 802.15.4は、メッシュ構成が可能だったり、省電力、応答速度などの点で、IoT機器に適した規格です。さらに、多数のIoTデバイスがWi-Fiを使用すると、Wi-Fiの高速大容量を必要とする機器の妨げとなります。Wi-Fiルーターによっては、接続可能デバイス数が限られています。その枠をIoTデバイスが使い切ってしまう可能性もあります。なので、Wi-Fiを使うよりは、ZigbeeもしくはThreadを使うのが良いと思います。

一方で、Amazon, Google, Appleの全てのエコシステムで採用されているMatterを採用しておけば、設定やメンテナンスが楽です。Zigbee2MQTTとHomebridgeをRaspberry Pi上に設定してHomeKitに接続する作業は、一般ユーザー向けでは無いです。

なので、理想的には、Matter over Threadのデバイスがあれば、それを採用するのが良いです。ただ、壁スイッチモジュールでは、現在Matter over Threadの製品がありません。Matter over Wi-FiとZigbeeでは、それぞれ長所短所がありますが、安定した通信が可能なことを考えると、現状ではZigbeeを使うのが良いと考えてます。

まとめ

Zigbee方式の壁スイッチモジュールを、既存の壁スイッチに組み込みました。前回は、中性線無しの1 gangを使いましたが、今回は中性線有りの3 gangを使用しました。

スマート化した既存スイッチは、2連スイッチでした。2連スイッチは、日本の家屋ではよく見かけるものの、世界的にはあまりポピュラーでは無いようです。なので、日本規格 (US規格) の2連に対応したスマートスイッチモジュールはあまり見かけません。こちらで紹介したような1連の製品がほとんどです。今回のように、既存の2連スイッチをそのまま残して、内部にスイッチモジュールを組み込む方法で、スマート化するのが良いと思います。

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