昭和の窓貝蛍光灯器具をZigbee対応にDIY

DIYする

紐スイッチのついた昭和レトロな蛍光灯器具を、LEDに交換して、Zigbee対応し、HomeKitから使えるようにしました。前回の蛍光灯改造ではMatterモジュールを使用しましたが、今回はZigbeeです。使用したモジュールは、以前壁スイッチの改造で使用したZigbeeモジュール(中性線付き)の1回路版です。これに器具の紐スイッチを改造して接続しました。照明は紐スイッチでOn/Off出来て、紐スイッチの操作はHomeKit側に反映されます。

古い照明器具

改造対象の古い照明器具は、こちらの記事でLED化してHomeKit対応させた照明器具です。ですが、使用したHomeKit対応スイッチが不安定で、しばしば専用アプリから設定し直しする必要がありました。なので今回は、Zigbeeのスイッチモジュールに交換します。さらに、紐スイッチにも対応させます。

照明器具は、昭和の頃に流行った窓貝を使った照明です。窓貝は、大型の2枚貝で、片側の貝殻が平で半透明なので、昔は窓の材料に使われました。それをステンドグラスのように貼り合わせて、ランプの傘を作ってあります。手仕事がすごいです。

上部に穴があり、ここに蛍光灯器具を嵌め込みます。

下は蛍光灯器具を取り外したばかりの写真です。かなり汚れてました。分解して可能な限り水洗いしました。

器具には東芝の古いロゴの刻印があります。

残されたラベルから年代の手がかりは得られませんでしたが、昭和の製品なのは間違いないです。

中には、安定器2個、点灯管ソケット2個、豆球ソケット、紐スイッチがぎっしり詰まっています。安定器は鉄とコイルの塊なので、かなりの重量感があります。

蛍光灯型LED

蛍光灯のままスマート化することも可能ですが、せっかくだからLED化します。蛍光灯器具をLED化する方法を以下に書きましたので、参考にしてください。

LED蛍光灯に交換してHomeKit対応照明に改造する
古い蛍光灯管を蛍光管型LEDに交換しました。交換に加えて、不要になった安定器と点灯管ソケットも取り外しました。重い安定器が無くなって軽量になり、消費電力が半減したはずです。空っぽになった照明器具内部にはスマートスイッチ器具を内蔵しました。 ...

今回も、丸型蛍光灯の形をしたLEDを取り寄せました。

紐スイッチ

この蛍光灯器具から、安定器を取り除き、グローランプや豆球のソケットを取り外します。安定器を取り除くと軽量になります。場所も空くので、スマートスイッチモジュールを簡単に内蔵できるようになります。

ただ、前回の和風照明器具の改造と同じく、紐スイッチは再利用します。紐スイッチは、紐を引くと

  1. 蛍光灯2灯(大小)点灯
  2. 蛍光灯1灯(大のみ)点灯
  3. 常夜灯点灯
  4. 全て消灯

の順に4段階に切り替わります。今回使用するスマートスイッチモジュールは、On/Offしかできないので、紐スイッチを単純なOn/Offスイッチに改造します。写真のように接点を短絡したところ、紐を引くたびにOn/Offする動作を実現できました。

紐スイッチは、接触不良気味でした。なので、アルコールと接点復活剤で洗浄しました。さらに、スイッチ紐が変色していたので、これも交換することにしました。つまみが木製で高級感があります。

Zigbeeモジュール

使用したZigbeeスイッチモジュールは、以前壁スイッチの改造で使用したZigbeeモジュール(中性線付き)の1回路版です。前回と同じく、こちらのページから購入しました。本来はTuyaのハブを使うことを前提にした製品ですが、Zeigbee2MQTTでもサポートされています。販売ページには、中性線無しと、中性線有りの2種類があります。照明器具には中性線が来ていますので、中性線付きのモジュールが使えます。

いつものように、シンプルな白い紙箱に入ってます。本体の他に、DINレール取り付けアダプタと取説が入っています。取説と本体には、配線方法が書かれてます。

   

LとNを電源のL, Nに接続し、照明器具(LED)をL1とNに接続します。スイッチを使う場合は、LとS1端子に接続すると良いようです。

組み立てる

その配線図に従って、配線をした結果が下の写真です。元の蛍光灯器具に比べて部品がなくなりスッキリしています。

この後、鉄製の蓋を取り付けます。Zigbeeスイッチが鉄のケースに覆われてしまうので、無線通信に支障が出ないかと気になりました。でも問題なく接続できました。放熱穴や、グローランプ、豆球などの開口部が多くあるので、通信できているようです。

Zigbee2MQTTにペアリングする

これをいつものようにZigbee2MQTTで直接接続して使用します。Zigbee2MQTTサーバ、MQTTブローカー (Mosquitto) 、Homebridgeが動作していて、さらにHomebridgeにZigbee2MQTTを使用するプラグインが入っている必要があります。手元の環境では、これらをRaspbetty Piで動かしてます。

設定の詳細に関しては、以下をご覧ください。

HomeKitでZigbeeを使う:Zigbee2MQTTを導入する
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このスイッチモジュールは、接続した実スイッチを5回On/Offするか、もしくはリセットボタンを5秒長押しすると、Zigbeeのペアリングモードになります。蛍光灯器具の中に組み込んでしまったので、リセットボタンは押しにくくなってました。そこで、紐スイッチで5回On/Offしたところ、ペアリングモードになったようです。Zigbee2MQTTのWeb UIでペアリングを有効にすれば、

10秒くらいでペアリングが完了しました。デバイスページを見ると正しく認識されている様子がわかります。

HomeKitから使う

これでiPhoneやMacのホーム.appに、以下のようにスイッチが現れます。スイッチのタイプを照明にして、名前を書斎としてあります。

   

これでiPhoneやMacのホームからOn/Offすることができます。また、紐スイッチを手で引っ張ってOn/Offすると、その状態がHomeKit側にも反映されます。

ZigbeeとMatterのどちらが良いか

前回、古い和風蛍光灯をDIYした時は、Matter over Wi-Fiのスイッチモジュールを使いました。

1989年製紐式和風蛍光灯器具をMatter対応にDIY
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これに対して、今回はZigbeeを使いました。照明器具の改造DIYで、Zigbeeを使うか、Matterを使うかは、一長一短あると思います。

Matterならば、Homebridgeを使用しなくても、HomeKitから直接使用できます。なので、一般的なユーザには、今回のZigbee版よりも、前回のMatter版モジュールがおすすめです。

ただ、すでにZigbeeを使える環境が整っている(Zigbee2MQTTとHomebridgeのためのサーバが稼働している)場合は、Zigbee版が良いと思います。Matter over Wi-Fiの場合、既存のWi-Fiネットワークに負荷がかかります。Zigbeeと同じ物理層 (IEEE802.15.4) を用いるMatter over Thread方式のスイッチモジュールが発売されれば、これらの問題が全て解決されると期待してます。

まとめ

レトロな窓貝の蛍光灯器具を、LED化してZigbee対応させました。紐スイッチでも操作できるので、万一Zigbee2MQTTやHomeKitに不具合があっても、手動で対応できます。こんなレトロなHomeKit対応照明器具は、今のところ入手不可能です。昔の器具は手間をかけて作られている製品が多いので、DIYで活かしてはどうでしょう。

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