1989年製紐式和風蛍光灯器具をMatter対応にDIY

DIYする

紐スイッチのついた古い和風蛍光灯器具をLEDに交換して、Matter対応にDIYしました。Matterスイッチモジュールには、前回紹介した壁スイッチユニットを使用し、これに紐スイッチを接続しました。これで紐スイッチでも、HomeKitからでもOn/Off出来ます。紐スイッチの操作はHomeKit側に反映されます。

古い照明器具

古い和風蛍光灯照明器具を入手しました。和室自体が絶滅しつつあるので、もはや需要の無い製品かもしれません。紐スイッチがついていて、引くと順番に、蛍光灯2本が点灯、蛍光灯1本が点灯、常夜灯が点灯、全部消灯と4段階に切り替わります。プラスチックシェードの部分は埃をかぶっています。このあと、水洗いしました。

ランプシェードから取り外すと、蛍光灯本体はこんな感じでした。埃を被っていて、汚れていたので、こちらも分解して可能な限り水洗いしました。

ラベルを見ると、89年12月製造のようです。1989年と言えば、崩御で平成になり、ベルリンの壁が崩壊し、日経平均が大納会でバブル崩壊前最高値をつけるという激動の年です。そんな25年くらい前に作られた製品です。

60Hz用なので、50Hz地域で使用すると不具合が出るかもしれませんが、この後LED照明に改造しますので関係ありません。70Wくらい消費するようです。

改造パーツ

まずは以前改造したように、蛍光灯をLEDに交換したいと思います。蛍光灯は入手が困難になり、廃棄も難しくなると言われているので、交換したいです。前回同様に丸型蛍光灯の形をしたLEDを取り寄せました。和室に合うと思ったので、色温度は電球色 (3,000K) にしました。スイッチ紐が変色していたので、これも交換することにしました。つまみが木製で高級感があります。

Matterスイッチモジュールは、前回紹介したこちらの製品です。送料込みで1,259円でした。Matter over Wi-Fi製品です。組み込みには中性線が必要ですが、照明器具には中性線が来ているので問題ありません。

以前の記事では、HomeKit対応のリレーを照明器具に組み込んでいました。

格安のHomeKit対応WiFi 100Vスイッチ
Apple HomeKit (HAP) に対応した、WiFi接続するAC 90~250V用スイッチユニットがAliExpressで売られてました。送料込み672円と格安でしたので、試しに使ってみました。専用アプリでWiFiとHomeKitを...

当時は格安で良かったのですが、最近値上がりしてMatter版と同様な値段になってました。またHomeKit対応といっても、専用アプリでの初期設定が必要なので、使いにくいです。今後はMatter版を使うのが良いと思います。

改造する

照明器具のネジを3個外すと、中が見られます。大きな安定器が2個搭載されています。金属とコイルの塊なので、ずっしり重く、本体重量の半分以上を占めている様子です。蛍光灯を、蛍光灯型LEDに交換する際に、安定器が残っていても動作します。ただ、消費電力が増加してしまいますし、改造の邪魔ですので、取り除いておきます。安定器の端子がハンダ付けされているので、ハンダゴテで外しておきます。

中央の白いプラスチック部品は、紐スイッチと、常夜灯、グローランプのソケットです。紐を引くと

  1. 蛍光灯2灯(大小)点灯
  2. 蛍光灯1灯(大のみ)点灯
  3. 常夜灯点灯
  4. 全て消灯

の順にスイッチが切り替わります。まずは、スイッチ操作でどの端子が接続されるのか、テスターで調査しました。長期間放置されていたためか、接点の接触不良がありました。接触不良は、スイッチにアルコールや接点復活剤を流し込んで何度かOn/Offしたところ、解消しました。

Matterのスイッチモジュールは、実スイッチではOn/Offだけを行います。なので、蛍光灯小と常夜灯への信号を接続して、On/Offが交互に行えるようにしました。これで、元々は4サイクルだった日もスイッチが、

  1. 点灯
  2. 消灯
  3. 点灯
  4. 消灯

の順に動作するようになりました。この改造を行った結果を以下に示します。常夜灯ソケットからケーブルを引き出して、蛍光灯1灯点灯の端子に接続しました。

スイッチ部品を戻して、Matterスイッチモジュールの取り付け部品をねじ止めしました。

残りの配線をすれば完成です。蛍光灯型LEDには、コネクタがおまけで付いています。照明器具のコネクタを使用せずに、直接配線する場合に使用するコネクタです。これの両端に100ACが印加されれば点灯するので、片方をMatterスイッチのL出力に、もう片方をNに接続します。

このまま蓋を閉めると、Wi-Fiが遮蔽されるかなと思ったのですが、動作しました。通気用の穴が空いているので、そこからWi-Fiが流れ出たようです。また、通気用の穴から棒状のものを突っ込むと、Matterモジュールのペアリングボタンを押すこともできました。

紐スイッチを引くと、手動でOn/Off出来ます。シェードの水洗いをしたので、かなり綺麗に見えます。

一見すると昔ながらの蛍光灯器具のように見えますが、Matter対応です。MatterのロゴとQRコードを貼り付けておきました。

HomeKitから使う

ペアリング開始するためには、Matterスイッチモジュールのリセットボタンを10秒、長押しします。スイッチを5回On/Offしても良いようです。この後、iPhoneのホームから、アクセサリを追加を選び、QRコードを読み込ませると登録できます。前回同様に1回の操作で、スムーズにペアリングが終了しました。これでiPhoneやMacのホームからOn/Offすることができます。また、紐スイッチを手で引っ張ってOn/Offすると、その状態がHomeKit側にも反映されます。

   

まとめ

古い和風の蛍光灯器具を、LED化してMatter対応させました。紐スイッチでも操作できるので、万一MatterやHomeKitのシステムに不具合があっても、手動で対応できます。和風のMatter対応照明器具などは、今のところ入手不可能ですので、今回のようにDIYするのはどうでしょう。

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