iPhone 15 ProのThreadを使ってみた（使えませんでした）

iPhone 15 Pro/Pro MaxにはThreadが搭載されたそうです。そこで何ができるのか試してみましたが不明でした。情けない結果ですみません。ご存じの方いらしたらぜひ教えてください。

iPhone 15 Pro
いまここにあるThread
iPhoneのThread機能を調べる
1. iPhoneがEnd Deviceである可能性
2. iPhoneがTBRである可能性
まとめ

iPhone 15 Pro

iPhone 15 ProとPro Maxには、初めてThread無線が搭載されたそうです。ということでiPhone 12 Pro Maxから15 Pro Maxに移行しました。2回新モデルを見送ったからそろそろかなとか、USB-Cになったので是非とも、などの理由もありますが、やっぱりThreadに期待したいのが一番の動機です。

iPhone 15の感想は、

ナチュラルチタンは思っていた以上に銀色だった
角が取れて軽くなって持ちやすくなった
アクションボタンでカメラ起動設定できるので便利
常時表示も便利（14からですが）

などで大満足なのですが、やはりThreadで何ができるのか知りたいところです。

いまここにあるThread

今まで家の中にあったThread搭載デバイスは、以下の3個でした。

HomePod mini
Nanoleafの電球 (HAP over Thread)
LEDを点滅するESP32H (Matter over thread)

Nanoleaf電球とESP32Hについては、過去の記事で紹介しました。リンク先をご覧ください。ということで、iPhone 15が加わる前のThreadネットワーク構成は、以下でした。

HomePod miniはThreadとWi-Fiの両方に接続して、Thread Border Router (TBR) としてデータの橋渡しをしています。Nanoleaf電球はHAP (HomeKit Accessory Protocol) で動作し、ESP32HはMatterで動作しています。それぞれのデータが、Thread上に流れます。図では、NanoleafもESP32HもThread End Deviceと仮定してます。もしかしたらいずれかがThread Routerとして機能しているかもしれません。その場合、NanoleafとESP32HもThreadで接続してます。Zigbeeの場合は、十分な電力を使える電球がRouterになることが多いので、NanoleafもRouterになっている可能性はあります。

iPhoneのThread機能を調べる

この構成に、iPhone 15が加わって、家の中のThread搭載デバイスが4個になりました。iPhoneが既存のThreadネットワークに接続する場合、

Thread End Deviceとして接続する
Thread Routerとして接続する
Thread Border Router (TBR) として接続する

の3種類が考えられます。下のThreadネットワーク構成図の、マルか、5角形か、黒塗り正方形のどれかです。

( https://www.threadgroup.org/ )

End Deviceと素のRouterではあまり差はないので、ここでは、End DeviceとTBRの場合を考えます。

iPhoneがEnd Deviceである可能性

iPhoneがEnd Deviceとして接続するとしたら、電波到達範囲にある既存のThread RouterかTBRに直結するはずです。現在の構成ならば、HomePod miniに接続します。

もしそうならば、iPhoneのWi-Fiをoffにしても、Threadデバイスは制御できるのではと思いました。また、TBRであるHomePod経由で、HAPやMatterプロトコル接続できるので、HomeKit全体も制御できるのかと思いました。

それでiPhoneのWi-Fi接続を（携帯の接続も）offにしてみたのですが、HomeKit機能は全く使えませんでした。

Threadデバイスも、それ以外のデバイスも全て応答なしでした。

iPhoneがTBRである可能性

iPhoneがThread Border Routerとして動作する可能性もあります。家に常駐しないiPhoneはRouterとして適していないと思うので、このシナリオの可能性は低い気もします。ただ、TBRのサンプルプログラムはESP32にも用意されていて、割とシンプルなようです。なのでTBRデーモンがiPhoneの中でこっそり動作している可能性もあると思いました。

この機能を確認するためには、既存のTBRであるHomePod miniの電源を切れば良いと考えました。そうすれば、End DeviceはTBR機能をiPhoneに頼ることになります。それでHomePod miniの電源を切ったのですが、これをTBRとして使っていたNanoleaf電球とESP32Hは応答なしになり、復活しませんでした。

まとめ

iPhone 15 Pro/Pro Maxに搭載されたThreadで何ができるのか試してみました。今のところHomeKit関係で使える機能は発見できませんでした。ただ、コストをかけて使い途のない無線チップをAppleが搭載するはずはありません。Thread対応のAppleホームアプリがおそらくは開発中と思います。今後に期待したいです。