Matter対応電球をHomeKitで使う

HomeKitを使う

AliExpressで1,581円だったMatter対応スマート電球を、HomeKitで動かしました。

Matter対応電球

Matter対応のスマート電球がAliExpressで1,581円(送料込み)で売られてました。Matter over Wi-Fi方式です。Matter方式の電球は、ここ最近販売が相次いでいて、米国Amazonでも数種類売られてます。ただ、日本のAmazonではまだ見つかりません。これらの中でも、1,581円は、安い方です(現在は1,663円です)。Aubessというブランドの製品です。

開封する

薄いビニール袋に入って、マレーシアから届きました。袋に入っているだけなので、

中身はぺちゃんこでした。

箱の表示を見ると、元々はTuya系列のSmart lifeアプリで動作する製品だったようです。

それが新しくMatterに対応したようです。上蓋の部分にMatterという紙シールが、急ごしらえな感じで貼られてます。

箱の側面には仕様が書かれています。対応電圧は100-240Vなので日本でも使用可能です。接続方式の項目は空欄です。箱が古くてMatterの項目がまだ用意できていません。

口金はE27(直径27mm)という規格です。日本の電球の口金はE26です。非関税障壁のために、海外とは違うガラパゴスな規格を定めたという記述をどこかで読んだ気もするのですが、本当かどうか不明です。ただ1mm違うだけなので、問題なく相互に取り付け可能です。実際にサイズを計測したら、なんと26mmでした。手元にあったNanoleafのE26電球もやはり26mmでした。なので日本の電球ソケットで、全く問題無く使用できます。

電球には、MatterのQRコードが貼り付けてあります。本来ならば印刷したかったところが、間に合わなくて紙のシールを貼り付けた様子です。曲面に貼られているので、縁が浮いてますし、少し皺がよってます。

本体の他に、カラー印刷のマニュアルが同梱されていました。HomeKit, Alexa, Google HomeでMatter接続する方法が書いてあります。マニュアルにもMatterのQRコードが貼り付けてあります。

これによると、電球のOn/Offを5回繰り返すと、電球が白色で点滅して、設定モードになるようです。その後、HomeKit, Alexa, Google Homeに接続します。また2.4GHzのWi-Fiに接続するよう注意書きされてます。

分解する

電球の、光源部分カバーは、薄手の柔らかい半透明プラスチック素材です。指で押すと凹みます。一方で、口金側の白い部分は、硬いプラスチックです。継ぎ目の部分は、外れそうな様子でした。そこで、ギターピックを挟んで、一周させたところ一部が外れました。軽い噛み合わせになっているようです。このまま取り外すことができました。

電球の中には、LEDと組み込みチップが載った丸いプリント基板が入ってました。これは半透明の接着剤で固定されてましたので、分解はここまでとしました。

中央のチップにはUAM022-V1.0と書かれています。Wi-FiとBLEを担当するアンテナのパターンも見えます。型番で検索したところ、FCCのサイトが見つかりました。

FCC ID 2A68EJX-UAM022
FCC ID 2A68EJX-UAM022 Application Details

ここのUser ManualというPDFを見たところ、UASENT (Universal Ascent Holdings Limited)という深圳にある会社が作っているチップのようです。今年の3月にできたばかりのチップらしいです。2.4GHz Wi-FiとBLEを搭載してます。ピンは、3.3V、GNDの他に5本のI/Oがあるようです。

外した半透明カバーは、溝に沿ってはめ込むと、軽い力できっちり元通りになりました。

HomeKitに接続する

早速HomeKitに接続します。電球をOnにして、Off/Onを5回繰り返すと、明るい白色で2-3回点滅して設定モードに入ったことを知らせてくれます。設定モードでは、点滅は停止して、明るい白色で点灯し続けます。この状態で、2.4GHz Wi-Fiに接続したiPhoneから、「アクセサリを追加する」メニューを選びます。

そして、QRコードを読み込ませます。QRコードは、本体貼付でも、マニュアル貼付ものでも、どちらでも良いです。

「照明の場所」を指定する画面が出れば、接続は成功です。この時、電球の色が白色からオレンジ色に変化します。場所を指定して、

名前を付けます。

名前は、デフォルトでZemismart bulbとなってました。現用の優れものZigbee壁スイッチのメーカーです。

Zemismartの薄型Zigbee壁スイッチをHomeKitで使う
Zemismartから出ている新しいZigbee壁スイッチを取り付けました。旧製品と同様にZigbee2MQTTにリンクしてHomebridge経由でHomeKitから使えました。薄型でシンプルでかっこいいです。 Zemismartの新しい...

販売ページではAubessというブランドでしたが、製品箱にもマニュアルにも、メーカー名は書かれていません。もしかしたらチップだけがZemismart製なのかもしれません。

これでHomeKitに登録されました。

すぐにホームにボタンが現れ、クリックでOn/Offできました。

On/Off、明るさ、色温度、RGB色も、他の照明アクセサリと同様に設定できます。一部の照明アクセサリにある適応型照明の機能は、この電球にはありませんでした。Matterの規格書でadaptiveを検索しても出てこないので、もしかしたらMatterで未定義なのかもしれません。

詳細のページを見ると、製造元はZemismartになってました。

Amazon/Googleから使う(失敗)

Amazon AlexaとGoogle Homeにもペアリングを試みました。でもうまくいきませんでした。以下はその失敗の記録です。

直結する(失敗)

まずはHomeKitからMatter電球を削除して、Amazon, Googleに直接ペアリングする方法を試しました。AmazonもしくはGoogleしか使ってないユーザは、これで良いはずです。付属の説明書にもこの方法が書いてあります。

まずは、Matter電球を5回Off/Onしてペアリングモードにします。次に、Google/Amazonのスマホアプリから、「デバイスを追加する」メニューを選び、Matterデバイスを選択します。そしてカメラでQRコードを読み込みます。アプリは、ペアリングモードにあるMatterデバイスを検出したようでしたが、ペアリングには失敗しました。

   

左がGoogleの画面で、ペアリングに失敗しています。右がAmazonの画面で、「HomeKitでペアリングしているならそちらのセットアップコードを試してみてください」というメッセージです。

HomeKit経由で接続する(失敗)

Matterデバイスを複数のエコシステム、例えば、HomeKitとGoogle/Amazonで使用する場合には、最初に接続したシステムが発行するセットアップコードを使います。ややこしいのですが、現状のMatterの仕様なので仕方ないです。

HomeKitのMatterアクセサリ(Matter電球という名前にしました)のメニューから、「ペアリングモードをオンにする」を選びます。そうすると、電球が点滅して、ペアリングモードに入ります。この時、表示される設定コードを、コピーしておきます。

次に、Google Homeを開いて、Matterデバイス追加を行い、この設定コードをペーストして入力します。その結果、なんとかペアリングはできました。HomeKitからも、Googleシステムに追加されたとの通知も来ました。Google HomeにもMatterデバイスが現れました。でも操作しようとすると「応答なし」になってました。なお、HomeKitからは、引き続き使用可能です。

一方、Amazonの場合は、単体での接続と同様のメッセージが出て、ペアリングすらできないようでした。

ということで、Amazon, Googleからの接続には失敗しました。実は、Nature Remo nanoやSwitchBot Hum 2でも、Amazon/GoogleからのMatter接続を試して失敗してます。なので、このMatter電球製品が悪いのではなく、おそらくはApple, Amazon, Googleのシステムの擦り合わせが悪いとか、Matterの仕様が悪い、それが私の家のネットワーク環境に合っていないなどの理由かと思います。HomeKitに接続できれば問題無いので、どうしても接続したいという熱意が足りないのも原因かと思います。

まとめ

AliExpressで1,581円(送料込み)で売られていたMatter対応電球を、HomeKitから使ってみました。QRコードをカメラで読み込むだけで、簡単に登録できました。しばらく使ってみますが、今のところ問題無く動作しています。Matter対応製品が出回るようになり、HomeKitからすぐに使えるお手頃価格な電球の選択肢が増えてありがたいです。なお、Amazon AlexaやGoogle Homeへの接続は、うまくいきませんでした。

この製品は、Matter over Wi-Fiです。将来、接続台数が多く、メッシュが組めるMatter over Threadの製品が出てくることに期待してます。

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