IKEAの大きな丸型スマート電球を、Zigbee2MQTT (Z2M)とHomebridge経由でHomeKitから使えるようにしました。Z2Mのデータファイルに該当するモデル番号が無かったため、追記して動かしました。
IKEAのZigbee電球をHomeKitで使う方法
IKEAのTRÅDFRIスイッチをHomeKitで使う方法についてはこちらで説明しました。電球も同様なので、この記事では簡単に説明しておきます。
IKEAのスマートホーム製品はお手軽価格で、店頭で入手容易です。技適マークもPSEマークも付いてます。さらにどの製品もHomeKitに公式対応している点が素晴らしいです。ただIKEAスマートホーム製品はZigbeeで動作するので、Zigbee と LANを橋渡しするブリッジが必要です。
IKEAのスマート電球をLANに橋渡しするIKEA純正ブリッジには、TRÅDFRI/トロードフリ ゲートウェイと、DIRIGERA/ディリフィエラがあります。トロードフリ ゲートウェイは2023年4月に販売終了になってしまったので、現在はDIRIGERAを使うことになります。
DIRIGERAは、将来的にMatter対応するとのことですが、現在はHAP (HomeKit Accessory Protocol) でHomeKitに接続します。
IKEA社製Zigbeeブリッジを使用する代わりに、Zigbee2MQTT (Z2M)とHomebridgeを使ってHomeKitに接続することもできます。その場合、Zigbeeデバイスは以下の経路でHomeKitに接続されます。
Z2Mを使う方法はややこしいので、一般のご家庭にはお勧めできませんが、メリットは絶大です。まず、Z2Mを用意すれば、IKEAに限らずほとんどメーカのZigbee製品をHomeKitから使用できます。Zigbeeハブにはある程度の互換性があるらしいですが、メーカーは公式にサポートしていませんし、おそらく完璧ではありません。Z2Mを使えば、各社のハブを揃えることなく、様々なZigbee製品を適材適所で使い分けることができます。IKEAだけでなく、例えばHue, Tuya, Aqara, Zemismart製品や、AliExpressで売られている無名の製品が、Z2Mを用意するだけで使用可能になります。
Z2MでIKEA製品だけを使用する場合にもメリットがあります。以前に試した限りでは、純正のハブでは、スイッチとセンサをHomeKitに直結できませんでした。(もしかしたら現在は改善されているかもしれません。)IKEAのスイッチとセンサは、IKEAの電球やカーテンに個別にペアリングして使用します。なのでHomeKit側からスイッチやセンサの状態を直接読み取ることができません。
Z2Mを使えば、IKEAのスイッチ、センサ類に、HomeKitから直接アクセスできます。
Z2Mの設定は面倒ではありますが、すでにHomebridgeをRaspberry Piで動作させている環境でしたら、USBトランシーバーを取り付けて、サーバー類をインストールするだけです。設定方法に関してはこちらをご覧ください。
開封する
今回使用するIKEA電球は、IKEA TRÅDFRI トロードフリLED電球 E26 440ルーメン, スマート ワイヤレス調光/ホワイトスペクトラム 球形という製品です。消費税込み1,899円です。
直径12cmくらいの大きな丸い電球です。
外箱サイズは14x14x20cmあります。かなり大きい印象です。
ペアリングするも未対応
IKEAのスマート電球は、点灯させた後、Off/Onを5回繰り返すとペアリングモードになります。明るさが緩やかに変化するので、ペアリング状態であることを確認できます。Zigbee2MQTTのwebインタフェースでペアリングを有効にすれば、ペアリングが完了するはずでした。
でも失敗しました。ペアリングは成立しているようですが、Z2Mでサポートされていないというメッセージが出ました。
Z2MのWeb UIの詳細ページを開いたところ、デバイスのアイコンが不明で、非対応の表示が出てました。
今まで使ったIKEAの製品は、どれもすんなりとZ2Mに接続できたので、少し慌てました。
Z2Mに対応させる
エラーのメッセージにあるように、TRADFRIbulbG125E26WSopal440lmというモデルがZ2Mでサポートされていないようです。Z2Mは最新版ですが、非対応のようです。
そこで、IKEA製品の情報が書かれているファイル、
/opt/zigbee2mqtt/node_modules/zigbee-herdsman-converters/devices/ikea.js
をテキストエディタで開いて、モデル名に近い文字列を探しました。すると、
zigbeeModel: ['TRADFRIbulbG125E27WSopal470lm',
'TRADFRIbulbG125E26WSopal450lm',
'TRADFRIbulbG125E26WSopal470lm'],
という行が見つかりました(見やすいように改行を入れました)。どうやら、口金サイズが同じE26で、明るさが450lmと470lmのモデルは登録されているものの、今回の440lmモデルは未登録のようです。地域限定モデルで、Z2Mコミュニティには知られていない製品なのかもしれません。明るさ以外の文字列は一緒なので、おそらく同様に動作すると思われます。そこで配列の最後に、このモデル名を追記しました(見やすいように改行してありますが、元は1行です)。
zigbeeModel: ['TRADFRIbulbG125E27WSopal470lm',
'TRADFRIbulbG125E26WSopal450lm',
'TRADFRIbulbG125E26WSopal470lm',
'TRADFRIbulbG125E26WSopal440lm'],
この後、systemctlコマンドでZ2Mを再起動させたところ
sudo systemctl restart zigbee2mqtt
デバイス詳細ページに正しい製品画像が表示され、対応済みと表記されるようになりました。
これでiPhoneやMacのホーム.appにIKEAのLEDが表示されました。
照度や色温度の変更もできました。
他の未対応IKEAデバイス
Xの情報によりますと、別の未対応IKEA TRÅDFRI トロードフリLED電球でも、この方法が使えたとのことです。同じ内部コントローラで、別製品が作られている可能性も高いと思いますので、色々試してみると良いかと思います。
IKEAのZigbee電球をZigbee2MQTTで使う | DIY Smart Matter https://t.co/jlNAqYODca
その手があったか…と自宅の"TRADFRI bulb E17 WS globe 440lm"もzigbeeModel:'TRADFRI bulb E17 WS 440lm'とかあったところに追記したら普通に動いた
— huruya (@huruya2100) December 6, 2023
まとめ
IKEAのスマート電球をZ2Mに対応させて、HomeKitから使えるようにしました。Z2Mは、ほとんどのIKEA製品に対応していますので、今回のような手間はまず不要です。
Z2Mのサイトには、未対応の製品を登録するために、設定ファイルを新たに作る方法が詳しく説明されています。でも可能ならば、既存のデータに手を加えて追記できれば簡単と思いました。改良版でモデル番号が変更されたデバイスなどは、この方法で対応できると思います。
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