IKEA DIRIGERAはAppleのThreadボーダールーターになれるか?

Apple対応品を使う

発売直後に買ったIKEAのDIRIGERAハブを、ファームウェア更新したところMatter/Threadに対応しました。Thread ボーダールーターにもなるようです。それで、Apple Homeが作るThreadネットワークのボーダールーターとして使えるかどうか、試しました。その結果、ボーダールーターとして使えることがわかりました。

Matter対応DIRIGERAハブ

IKEAのDIRIGERA (ディリフィエラ) ハブを買ったのは、4年近く前になります。IKEAの最初のMatter対応製品(実際には、対応予定製品でした)ということで、ご祝儀で買いました。開封や設定の様子は、過去の記事をご覧ください。

Matter対応?のIKEAハブDirigera
Matterに対応すると言われていたIKEAのZigbee - LAN (Ethernet) ハブが、ようやく発売されました。早速試してみました。Matterには、今後のアップデートで対応するという状況のようでした。IKEAのDiriger...

でも、この時はまだMatter対応していませんでした。しかしファームウェアをアップデートすることで、DIRIGERAに接続している従来のZigbeeデバイスなどをApple Home、Google Home、Amazon Alexaなどの他のMatter対応プラットフォームと連携させることができます。特に2025年7月のアップデートで、MatterコントローラーとThreadボーダールーターにも対応したそうです。

IKEA製品は、幾つも愛用していますが、Homebridge/HomeKitに直結して使っています。なので、DIRIGERAハブの出番はありませんでした。でも最近、Thread製品が増え、Threadボーダールーターの必要性が上がったので、使ってみることにしました。ボーダールーターに関しては、前の記事をご覧ください。

Aqara Hub M100を追加のThread ボーダールーターにする
Aqara Hub M100は、Threadボーダールーターとして機能する最安クラスのハブです。ボーダールーターは、Thread無線 (IEEE 802.15.4) とWiFi/LANの間でIPv6パケットを橋渡しします。今回は、M100を...

ファームウェアアップデートする

久々に、ハブに電源と有線LANを接続し、IKEA Home smartで「ハブとアプリのバージョン」をみたところ、アップデートが可能とありました。

すぐ更新したところ、ファームウェアバージョン2.256.5だったものが、2.975.3になりました。

Thread ネットワークの設定

初期状態の確認

バージョン更新ができたところで、何も設定しない状態での、Thread ボーダールーターの稼働状態を確認します。前の記事で、Claudeが作ってくれたPythonアプリを使いました。

$ python3 meshcop.py 
Aqara HubM100 #E41A._meshcop._udp.local.
  vn=Aqara mn=HubM100 nn=MyHome24 tv=1.3.0
  xp=c199... pt=9357542c xa=2ebd...
DIRIGERA #0DCA._meshcop._udp.local.
  vn=IKEA mn=DIRIGERA nn=gw2-5210186ba401 tv=1.4.0
  xp=816227a0585ea9b4 pt=0c14c4fe xa=ba9d...
オフィス._meshcop._udp.local.
  vn=Apple mn=BorderRouter nn=MyHome24 tv=1.4.0
  xp=c199... pt=2c545793 xa=8a7d...

Aqara、DIRIGERA、オフィスの、3個のボーダールーターが見つかりました。「オフィス」は、オフィスと名付けた部屋においたHomePod miniです。これと、前回設定したAqara M100ハブが、Appleの作ったThread ネットワークMyHome24のボーダールーターになっています。

ネットワークを変更したい

DIRIGERAには、何も設定していない状態ですが、すでに独自のThread ネットワークgw2-5210186ba401を作って、そのボーダールーターになっているようです。これを、Apple HomeのThreadネットワークであるMyHome24に切り替えたいところです。

ファームウェアアップデート後には、IKEA Home smartアプリの、ハブの設定に、「Threadネットワーク」という項目ができていました。これを選択すると、以下の画面になります。

ここからしばらく試行錯誤します。お急ぎの方は、「正解」と書かれた次のセクションまで読み飛ばしてください。

最初は、てっきり「別のネットワークに参加する」を選択すべきなのだと思いました。これを選択すると、「参加するネットワークのThread管理ワンタイムパスコードをコピーして貼り付けます。」という画面になりました。

Claudeによると、ワンタイムパスコードの方法は、SamsungのSmartThingsでは採用されているものの、GoogleやAppleは対応していないらしいです。

ならば、次にある「その他のオプション」に違いないと思いました。すると、現在のネットワークのパラメータが表示されます。

画面右上にメニューアイコンがあるので選んだところ、動作中のボーダールーター一覧が表示され、「ホームネットワークへのアクセス」許可のダイアログが出ました。

ここで、「Allow」を選んだところ、一番上の「iOS Preferred Network」に現在のAppleのThreadネットワークが現れました。この情報を、iOSから得るための許可ダイアログだったようです。

しかし、この先は何も操作できませんでした。Threadネットワークとボーダールーターを確認するだけのメニューだったようです。

「続行」するのが正解

IKEA Home smartアプリでDIRIGERAの初期設定を行う際に、「ハブの設定」、「Threadネットワーク」とメニューを進めると、下の画面になりました。上記のように色々試行錯誤しましたが、ここで選択すべき正解は、赤丸で囲んだ「続行」ボタンでした。

まず、ここにボタンがあることに気づきませんでした。「適切な」の意味も曖昧ですが、「すでにネットワークがあるならそれを使用するのが適切である」という意図なのかもしれません。

「続行」を押したところ、「”Home smart”がホームネットワークへのアクセスを求めています」というダイアログが出ますから、「Allow」を選びます。

ここで意地悪して「Don’t Allow」を選ぶと、面倒ですので注意です(その場合の対処法は後述の「補足」をご覧ください)。この先で、IKEAのアプリがiPhoneのキーチェーンからAppleの優先ネットワーク(MyHome24)の情報を読み出して、DIRIGERAに渡しているのだと思われます。重要な情報を渡すことになるので、許可が必要なのです。

この後、元の画面に戻されるので、再度、「Threadネットワーク」を選択すると、以下の画面に変わってます。「続行」ボタンは消えています。

AppleのThreadネットワークである、MyHome24に接続したようです。Pythonプログラムで確認すると、

$ python3 meshcop.py 
Aqara HubM100 #E41A._meshcop._udp.local.
  vn=Aqara mn=HubM100 nn=MyHome24 tv=1.3.0
  xp=c199... pt=9357542c xa=2ebd...
DIRIGERA #AE1C._meshcop._udp.local.
  vn=IKEA mn=DIRIGERA nn=MyHome24 tv=1.4.0
  xp=c199... pt=2c545793 xa=43c9...
オフィス._meshcop._udp.local.
  vn=Apple mn=BorderRouter nn=MyHome24 tv=1.4.0
  xp=c199... pt=2c545793 xa=8a7d...

nnとxpが一致しているので、AppleのThreadネットワークのボーダールーターになったようです。ptも同じです。Aqaraのpt値の 9357542c を1バイトずつ逆に並べると 2c545793 で、ほかの2台と同じ値です。3台とも同じパーティションで、Aqaraだけがバイト順を逆に出しているようです。

動作を確認

設定が完了したので、既存のボーダールーターに障害があったときに、DIRIGERAが役目を引き継ぐことを確認します。まず、DIRIGERA以外のボーダールーターである、HomePod miniと、Aqara M100ハブの電源を切りました。すると、Apple HomeのThreadデバイスが、一旦は使えなくなるものの、数分後に復活しました。これで、DIRIGERAが代替のボーダールーターとして機能することを確認できました。

逸般の誤家庭であっても、ボーダールーター3台体制はオーバースペックかもしれません。M100とDIRIGERAのどちらかは、別の場所で使おうと考えてます。

補足:追加された新メニュー

先のスクリーンショットで示したように、Threadの設定を終了すると、「ハブの設定」、「Threadネットワーク」で表示されるメニューが2個追加されています。再掲します。

このうち、「ネットワークをリセットする」は、Threadネットワークへの参加をキャンセルするという意味のようです。これを押すと、少し時間がかかって、最初の「続行」ボタンが現れる画面に戻ります。先の、「”Home smart”がホームネットワークへのアクセスを求めています」というダイアログで、「Don’t Allow」を選ぶと、DIRIGERAが作ったThreadネットワークが選択されるのですが、それをキャンセルできます。

「ネットワークを共有する」メニューは、Threadネットワークに接続するワンタイムパスコードを作ってくれるメニューです。下図のように、ワンタイムパスワードの数字が表示されます。この数字は文字通り一時的なもので、今は無効です。前述の「別のネットワークに参加する」メニューで要求されたパスコードに相当します。Appleは提供していない機能らしいので、何かの時に使えるかもしれません。

まとめ

IKEAのDIRIGERAハブは、最新ファームウェアに更新すれば、Apple Homeが作るThreadネットワークのボーダールーターとして使えました。

DIRIGERAは、HomePod mini (2.4/5GHz WiFi) やAqara M100 (2.4GHz WiFi) と違い、有線LAN接続なので、より安定したボーダールーターになると期待できます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました