Matterに対応すると言われていたIKEAのZigbee – LAN (Ethernet) ハブが、ようやく発売されました。早速試してみました。Matterには、今後のアップデートで対応するという状況のようでした。
IKEAのDirigera
IKEAからはTRÅDFRI (トロードフリ) などの名前で、スマートLED電球、スイッチ、センサ、プラグ、ロールカーテンなどが発売されています。これらは全てZigbee接続なので、LAN接続するためのハブ製品「TRÅDFRIゲートウェイ」が用意されていました。この製品がリニューアルしました。Matterに対応した (Matter readyの) Dirigera (ディリフィエラ)です。海外ではすでに発売されていたのですが、ディリフィエラと発音するとは知りませんでした。
ちなみにこの発音は、アメリカ人にも不思議らしく、下記のPodcastでは米国西海岸のキャスターが、スウェーデン人のIKEAの担当者に発音を教えてもらってます。開始後56分40秒あたりからの箇所です。
TRÅDFRIゲートウェイは、もともとHAPをサポートしていたので、以前からHomeKitで使用できました。さらに、IKEAのZigbee製品は数多く販売されていることもあり、Zigbee2MQTTで全てがサポートされています。
なので、すでにIKEA製品をHomeKitで使えている状態ならば、この新製品を購入する必要性は無いです。とはいえ、せっかくの記念すべきIKEAの初Matterと言われる製品ですので、ご祝儀で試したいと思いました。
外観
ハブは白い段ボールの箱に入ってます。カラーのロゴや写真も入っていて綺麗です。
開けると、白い丸い円盤型のハブが入ってました。IKEAマークの布のタブがついておしゃれな感じです。電池の絶縁用タブでは無いです。電池は入ってません。
本体のほかに、ACアダプター(USB Type-A端子)、電源ケーブル(両端がType-AとType-C)、LANケーブルが付属してます。取り出して電源とLANを接続しました。DHCPが動いているので、アドレスなどは自動割り当てされるはずです。
IKEA Home smartアプリ
IKEAのアプリをiPhoneにインストールします。初期設定をした後は、使わなくなると思われるアプリです。App Storeでは、Dirigera対応バージョンとなってました。読み方はディリゲラでも良かったのかな?
起動すると、自動的にハブを探し始めて、見つかるとハブのファームウェアを更新してくれました。
その後、ハブの裏側のスイッチを押して確認することを求められます。
この後に、IKEAのZigbeeデバイスを登録します。ペアリングモードにしたデバイスを、ハブに近づければ登録されます。今回は、LED電球を追加しました。IKEAの電球は、2秒ごとに5回短くon/offすると、点滅が始まりペアリングモードになります。
HomeKitに接続する
電球がIKEA Home smartアプリに登録されて、on/offできるようになったところで、今度はHomeKitにハブを接続します。これは通常のHAPアクセサリの登録と同じ手順です。iPhoneのホーム.appから、「アクセサリを追加」を選び、ハブの裏側にあるQRコードを読み込みます。
すると、ブリッジとして登録されます。Homebridgeと同じような、HomeKitに接続するブリッジとして扱われます。
Dirigeraの先に接続されているデバイスは、自動的にホームに表示されます。今回はLED電球を一つだけ登録してありますので、それが見えました。on/offもできました。
これはMatterなのか?
ここまでの手順は、旧製品のTRÅDFRIゲートウェイと同じです。旧製品TRÅDFRIゲートウェイの場合は、IKEAのZigbee製品を、LAN側にHAPデバイスとして見せてくれていました。新製品DirigeraはMatterに対応したと言われるハブなので、Matterデバイスとして見せてくれているのかと想像してました。
ただ、Matterであることを確認できませんでした。Dirigeraの箱にも、マニュアルにも、本体にもMatterの文字やロゴは見つかりません。一方で、iPhoneのホーム.appにハブを登録する場合の手順や表示も、今までのHAPハブと全く同じでした。ホーム.appで電球デバイスの情報を見ても、HAPなのかMatterなのかの表示はありませんでした。
Appleは、HAPとMatterはユーザからは同じに見えてシームレスに使えることを売りにしてました。なので、意図的に同じものに見せている可能性もあります。だとしたら大成功しています。HAPなのかMatterなのか、Appleユーザは気にかける必要がなく、デバイスの選択肢が増えるメリットしかありません。でもDirigeraが今まで通りHAPを使っている可能性もあります。
Dirigeraの発売前は、Matterに対応したと読み取れるアナウンスがいくつか出てました。でも冒頭で紹介したPodcastでは、IKEAの担当者の方はMatter対応に関して言葉を濁している感じで、Matterが出れば使えるようになるというような説明でした。(1:02:17あたりです)残念ながら今の段階ではMatter未対応のようです。
まとめ
IKEAがMatter対応と言われてたハブDirigeraを発売したので、早速試して見ました。これを使うことで、旧製品のHAPハブと全く同じように、IKEAのZigbee電球をHomeKitに接続できました。でもDirigeraがMatterで動作しているかどうかは確認できませんでした。品切れになった旧製品のTRÅDFRIと同じ機能を提供しているのに対して、価格は税込4,999円から8,999円に値上がりしました。安価な旧製品でもHomeKitには接続できるので、今のうちにTRÅDFRIを買っておいた方が良いかもしれません。Dirigeraに関しては、今後のMatter対応に期待です。
ということで、IKEAのZigbeeデバイスはこれからもZigbee2MQTT経由で使うつもりです。Dirigeraは当分はお蔵入りにして、Matterに対応した時に、また引っ張り出して試してみようと思います。
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