SonoffのZigbee方式スイッチモジュールZBMINIL2を、部屋の壁スイッチの中に組み込んで、照明をスマート化しました。これをZigbee2MQTTにペアリングして、Homebridge経由でHomeKitから使いました。中性線無しで使えるので、既存の壁スイッチに簡単に組み込めます。以前、Tuyaの同様の製品を紹介しました。Sonoffの製品は、Tuyaに比べると高価ですが、交流100Vに対応しているので安心感があります。
SonoffのZigbeeスイッチ
今回使用するスイッチは、既存の壁スイッチに組み込んでスマート化できるZigbeeスイッチモジュールです。中性線無しで動作するタイプなので、どの壁スイッチにも組み込めます。
前回は、Tuyaの製品を使いました。
安価で良い製品だったのですが、刻印された対応電圧が200~240Vとなっていて、日本の電圧に対応していませんでした。販売サイトの写真には、100VでもOKと修正されていて、実際100Vで動作します。
ただ最近、2ヶ月に1回くらいの頻度で、Zigbee2MQTTとのペアリングが外れてしまうようになりました。ペアリングをやり直せば、動作します。もしかすると対応電圧が合っていないことが理由かもしれません。多少怪しいところがあると、ついついそれが原因かと思ってしまいます。
それで、前回の記事でも紹介した、Sonoffの製品ZBMINIL2を使ってみることにしました。Tuya製品に比べて少し高価ですが、こちらは100V対応と表記されてます。また、Tuya製品が縦横39.2mmでしたが、Sonoff製品は、39.5mm x 32mmと小型です。既存スイッチボックスの中に収まり易いのもメリットです。
上でリンクしたAliExpressのページは、実際に購入したページで、送料込みで2,164円でした。もう少し探したらさらに安く販売しているページもありました。だいたい2,000円前後です。
開封する
しっかり包装されていて、綺麗な紙箱で届きました。箱には、ZBMINI Extremeという製品シリーズ名が書かれてます。Sonoffのサイトで調べたところ、ZBMINIという少し大型の機種があって、それが小型化された後継機種をExtremeと呼んでいるようです。
予想以上に小さなオレンジ色の紙箱で、昔のオレンジガムのような印象です。
裏側には仕様が書かれてます。製品モデル名は、ZBMINIL2です。100~240V 50/60Hz対応ですので、日本の電源に対応してます。
開けると、本体とマニュアルが入っています。
マニュアルは各国語で書かれていて、日本語の説明もあります。マニュアル類はオンラインでも提供されてます。製品付属のマニュアルは、ここから見る事ができます。もう少し詳しい英語・中国語マニュアルもあります。資料がしっかり用意されているので、安心感があります。
配線方法
マニュアルには、4通りの接続方法が書かれてました。
S1, S2へは通常、既存の壁スイッチを取り付けます。これで壁スイッチからもOn/Offできます。スイッチを取り付けなくても、Zigbee経由でOn/Off可能なので、必須ではありません。
既存の壁スイッチを置き換えるなら、①の方法が一番簡潔でわかり易いと思います。今回もこれに従って取り付けました。
ただ、③にあるように、S1は、電源のL側に接続しても良いようです。既存の壁スイッチは、通常は片側がLに接続されてます。なので③の配線をすれば、配線を一本減らす事ができます。このモジュールを、壁スイッチへの配線分岐点に設置する場合に使うのかもしれません。
②、④は、3路スイッチを実現する接続方法です。階段や廊下の照明スイッチのように、2箇所のスイッチでOn/Offを交互に切り替えられる配線です。一見すると簡単に実現できるように見えますが、通常の3路スイッチに組み込む改造では、このような配線はできません。天井裏や壁裏などで、電源・スイッチ・照明への配線が分岐している場所での組み込み作業が可能ならば、既存の配線のままでのスマート化ができるかと思います。
取り付ける
今回も、パナソニックのコスモシリーズワイド21に取り付けました。よく見かける製品です。大きめのスイッチ部分を押すと、On/Offが反転します。
1 gangなので、中の空間は、割と空いています。今回も、既存のスイッチの下に、このモジュールを両面テープで取り付けました。また念のために結束バンドで固定しました。スイッチ本体から後方に8mmほどオーバーハングしてますが、Tuyaの場合の15mmと比較するとスッキリしてます。実スイッチへは、VVFケーブルから取り出した1.6mmの銅線で配線しました。おそらく電気的にはオーバースペックですが、スイッチの穴に合わせました。
これを、壁スイッチの場所に取り付けます。この配置だと、Tuyaの製品では、リセットスイッチが前面に来るので、表側から操作できました。Sonoff ZBMINIL2の場合は、数ミリ程度奥まった場所になるため、ドライバーのような棒状のものを差し込んで押す必要があります。
今まで使っていたTuyaと比べると、Sonoff ZBMINIL2の方が幅が0.3mm大きいです。そのため、スイッチパネルと干渉し易いです。干渉を避けるために、実際には上の写真よりも、スイッチモジュールを少しだけ壁中に押し込んだ状態で取り付けました。スイッチカバーを取り付けたら完成です。
これで普通の壁スイッチに見えますし、そのように動作します。でも、Zigbee対応で、HomeKitから操作可能です。他の部屋の既存のスイッチと同じ形状なので、統一感があります。
HomeKitへの接続方法
Sonoff社おすすめのHomeKit接続方法は、SonoffのZigbeeゲートウェイ製品であるSONOFF Zigbee Bridge Ultraを使う方法です。Sonoffの説明によると、このゲートウェイ製品はZigbee – Matterの橋渡しをしてくれて、HomeKitにはMatterプロトコルで接続するようです。現物を使っての確認はしていませんが、下記のような接続で、ZBMINIL2をHomeKitに接続できると思われます。
でも、ほぼ全てのZigbeeデバイスに対応するZigbee2MQTTがすでに稼働していますので、Sonoffのゲートウェイを新たに買う必要はありません。今回もRaspbetty Piで動かしているZigbee2MQTTにペアリングすることにします。
このRaspbetty Piでは、Zigbee2MQTTのほかに、MQTTブローカー (Mosquitto) が動き、Homebridgeが動いていて、さらにHomebridgeにZigbee2MQTTを使用するプラグインが入っています。これらの設定に関しては、以下をご覧ください。
ペアリングする
ZBMINIL2とZigbee2MQTTのZigbeeをペアリングするためには、双方をペアリングモードにします。ZBMINIL2のペアリングモードに関して、マニュアルには以下のように説明されてます。
- 工場出荷時は、電源が入るとペアリングモードになり、LEDがゆっくり点滅する
- ペアリングモードは3分で終了する
- その後は、本体ボタンを5秒長押しすると、ペアリングモードに入る
一方、Zigbee2MQTTは、webインタフェース右上のPermit join (All)のメニューをクリックすると、5分間ペアリングモードになります。
こうして、双方をペアリングモードにして、近づければ、ペアリング手順が開始します。Webインタフェースに、完了のメッセージが出れば、ペアリング成功です。ペアリングが終了すると、以下のようにスイッチを確認できました。正しく認識されたようです。
デバイスの設定
停電復帰時動作
Zigbee経由で、停電復帰時の振る舞いを設定できます。Webインタフェースからも設定可能です。Power-on behaviorとして、off, on, toggle, previousが選べます。停電前の状態に復帰するpreviousが一番便利かと思います。デフォルトはoffです。
スイッチ動作モード
接続する物理スイッチの動作モードも設定できます。Tuyaのモジュールでは、Zigbeeメッセージでスイッチモードを、
- toggle
- state
- momentary
に設定できたのですが、この製品では、
- ロッカースイッチ
- プッシュボタン
に設定できます。ロッカースイッチは、Onの状態とOffの状態が切り替わるスイッチで、プッシュボタンは、押している間だけOnになるスイッチです。Tuyaのモードに対応付けると、それぞれtoggleモードと、momentaryモードに相当します。stateモードはありません。
このスイッチ、
を使用するなら、押すたびに点灯または消灯するtoggleモードが適しているので、「ロッカースイッチ」で設定します。とはいえ、工場出荷時設定がロッカースイッチモードになっているので、何も設定する必要はありませんでした。
ちなみに、スイッチモードを変更する操作は、マニュアルによると、
- 緑のLEDが3回点滅するまで、本体ボタンを3回短く押す
操作です。Zigbeeメッセージから変更する機能は無いようです。
実は、取り付けている際にボタンを操作してしまったのか、プッシュボタンモードに変更されてしまいました。本体ボタン3回押す操作が困難だったので、結局は本体ボタンを5秒長押しして、デフォルト設定に戻しました。
HomeKitから使う
ペアリングが完了すると、しばらくしてiPhoneやMacのホーム.appにこのスイッチモジュールが現れます。以下はこれを、照明として設定し、アイコンを電球にし、名前を「あかり」と変更したものです。
クリックすることで照明がOn/Offします。従来の壁スイッチを操作しても、同様にOn/Offし、HomeKitの状態にも反映します。
まとめ
SonoffのZigbeeスイッチモジュールを、壁スイッチに組み込み、Zigbee2MQTTとペアリングして、HomeKitから使えるようにしました。問題なく動作しています。
Tuya製品で発生していたペアリングが外れる不具合が、Sonoffで解決したかどうかは、まだ不明です。もうしばらく使用継続してから、結果を追記します。
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