スマートホームの電気代

HomeKitを使う

スマートホームをDIYするために、Raspberry PiやESP32などを常時稼働させることになります。PCやNASをサーバにすることもあります。HomePodやApple TVも常時通電してます。これらの電気代ってどのくらいになるのか測定してみました。結果は、ESP32が年額67円、Raspberry Pi 4では450円くらいです。これは気にすべき金額でしょうか。他の機器や電化製品と比較して考えてみます。

消費電力の測定

消費電力の測定にはサンワサプライの電力計を使いました。ただ、どの測定でも値は大きく変動するので、定常状態になって値が下がったあたりで測定しました。なので、測定誤差は大きく、あくまで目安程度です。

Raspberry Pi 4

この電力計にACアダプタを挿して、Homebridgeが動いているRaspberry Pi 4の電力を測定しました。値が安定したところで2W程度でした。ストレージはmicro SDカードのみです。Raspberry Piの動作状態によって変動します。

Raspberry Pi Zero W

HomebridgeはRaspberry Pi Zero Wでも動きます。Homebridgeの再起動に30秒くらいかかります。プラグインの設定を試行錯誤すると、そのたびに再起動することになるので、ちょっと辛いです。その代わり省電力です。このRaspberry Pi Zero Wの消費電力は、起動時が最大1.5Wでしたが、その後の定常状態は0.8Wくらいでした。

Intel NUC Core i3

最近はRaspberry Pi 4が品不足なので、低消費電力なPCでHomebridgeを動かすことも多いかと思います。RPi 4に比べて性能は2倍以上良いです。最大限に低消費電力と考えられるPCとして、Core i 3を搭載した初代Intel NUC(ストレージはmSATAのSDDのみ)を測定しました。消費電力は、起動時で15Wくらいでしたが、安定すると4.6Wくらいでした。

手元には、2.5 inchi HDDを内蔵できるNUCもあります。Haswell世代のCore i5-4250Uを搭載したD54250WYKです。これの消費電力は、HDDの分だけ増えて、安定状態で7Wくらいでした。

HPのmini PC Core i5

Core i5を搭載したミニPCです。2.5インチのSATA SSDとM.2 SSDを搭載してます。ミニPCは、リース終了品の古いモデルが中古で豊富に出回っていて安いです。Raspberry Pi 4のフルスペック新品よりも安いかもしれませんし、性能は格段に良いです。気になる消費電力ですが、Windowsのデスクトップを表示するだけなら7Wくらい、操作すると最大で30Wくらいになります。なので、WSL2上のLinuxでサーバを動かし、Windows GUIを使用しなければ7Wほどです。ベアメタルなLinuxでの測定はしていませんが、ヘッドレスで使う限り、同程度の消費電力だと思われます。

QNAP NAS (2HDD)

家庭内ですでにNASを動かしている場合なら、そこでHomebridgeを動かしてしまえば電力節約になります。そこで3.5インチHDDを2台搭載したQNAPのNASを測定しました。消費電力は、起動時に23Wくらいになりましたが、定常状態では13W程度でした。

その他の常時稼働デバイス

Homebridgeは動かさなくても、スマートホームで常時稼働するデバイスは多いです。手元のデバイスをいくつか測定しました。まずは、IKEAのハブDirigeraです。

Dirigeraは起動時に最大2.4Wで、定常状態では2.1Wほどでした。Raspberry Pi 4とほぼ同じです。Matter対応で電力多めなのかもしれません。でも、SwitchBot, Tuyaなどのハブ類もこの程度なのかと思います。

今までESP32を使ったデバイスをいくつかDIYしてきました。これの消費電力は0.3Wくらいでした。流石に低消費電力です。これからどんどん量産しても安心です。

Apple HomeKitのホームサーバーとして欠かせないHomePod miniは、起動時に最大1.2Wまで上昇しましたが、その後の定常状態では0.8Wでした。なんとRaspberry Pi W Zeroと同じです。機能・性能は高そうなのですが、低消費電力で素晴らしいです。

HomePodと同じスマートスピーカーでも、Amazon Echo Show 5はディスプレイも常時点灯しているので、消費電力は多そうです。変動しますが、これは最大4W程度で、最小値は2.6Wでした。

電気代の計算

ワット数ではピンとこないので、金額に換算しました。こちらで東京電力での1年間の電気料金を計算します。古いようなので、今時の値上げは反映されていないかもしれません。

その結果、以下のようになりました。

消費電力 (W)

電気料金(円/年額)

Raspberry Pi 4

2.1

¥470

Raspberry Pi Zero W

0.8

¥180

ESP 32

0.3

¥67

Intel NUC Core i3

4.6

¥1,033

HPのmini PC Core i5

7.0

¥1,573

QNAP NAS (2HDD)

13.0

¥2,920

Home Pod mini

0.8

¥180

IKEA Dirigera

2.1

¥472

Echo Show 5

2.6

¥584

年額の電気料金をグラフにしました。

QNAPのNASが突出しています。普通のPCよりは低消費電力なCPU/メモリー構成のはずですが、やはり3.5インチHDDが2台稼働していると電力を消費するようです。それにHP mini PC、Intel NUCが続きます。PCをサーバにすると電気代が1000円から数千円というところなのでしょうか。でも、PCパーツ代に費やす費用を考えたら、気にする額では無いと思いました。

話がそれますが、今回の記事から年額2,200円の格安レンタルサーバに引っ越しました。ここで測定したQNAPのNASで自前サーバーを動かすことも検討したのですが、電気代よりもレンタル代の方が安かったです。

Raspberry Pi 4やDirigera, Echo Show 5などは500円前後です。これが一般的なスマートホームのサーバー・ハブ製品の電気代の目安になるかと思います。Pi ZeroやHomePodなどはさらに安く、ESP32に至ってはほとんど気にする必要はない金額です。

スマートホームの電気代

このことから、小規模なスマートホームに必要なサーバー代金を考えてみます。

  • Raspberry Pi 4が1台
  • Dirigera/Echo Showクラスのハブが3台
  • HomePod miniが2台
  • ESP32で作ったデバイスが5台

の構成を考えると、電気代は2,900円くらいになります。上記の料金計算サイトによると、冷蔵庫は60Wくらいで、年額電気料金が13,500円くらいだそうです。高いのか安いのか判断は難しいですが、冷蔵庫の1/5から1/4くらいのようです。

スマートホームで効率よく電力を使えば節約になるのではという見解もあります。でも、LED照明の合計が100Wとして、これを1日30分スマートに節約できたとしても、節約できるのは480円です。あまり期待できない気がしました。

まとめ

スマートホームの常時稼働サーバなどの電気代を調べました。1台あたり年額にして500円くらいのものでした。それを用意するための部品代などを考えると、気にする金額ではないかと思い、安心しました。

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