使い終ったスキーリフト券で電球を点灯する

HomeKitを使う

使用済みのスキー場リフト券をiPhoneから読み込み、HomeKit対応電球を点灯するショートカットを作りました。keytixのロゴのある券ならiPhoneショートカットで使えそうです。

スキーリフト券

非接触リフト券が使われる様子

skidata.com より引用

スキー場のリフト券として、一昔前はデポジット式の非接触タグが使われてました。使用後に返却すると、500円から1,000円程度のデポジットが戻ってくるタイプです。でも最近は、使い捨ての非接触タグが一般的になりました。これのタグを観察すると、どのスキー場も同じ会社のタグを使っているようです。どれにもkeytixというロゴが書かれています。また、SKIDATAという印刷もあります。

スキー場リフト券

リフト券にはkeytixロゴとSKIDATAの印字がある

検索したところ、Skidataという会社が作っているスキー場向けRFIDタグシステムのようです。

リフト券の画像を検索したところ、志賀高原、野沢温泉、白馬八方尾根、ニセコ、蔵王温泉、斑尾高原、白馬栂池、軽井沢、ガーラ湯沢、丸沼高原など、多くのスキー場のリフト券にkeytixのロゴが見つかりました。なので、使い終わったSkidata社のスキーリフト券を、手元に持っている人も多いのではないかと思います。

リフト券の中を見る

リフト券を透かしてみると、コイルのパターンが見えます。また1箇所だけケシ粒のように盛り上がった場所も確認できます。表面を剥がすと、下の写真のように、薄いフィルムにコイルパターンが作られていました。

非接触リフト券の内部構造

リフト券の中

この写真の右端の部分に、少し凸になった黒い小さな点があり、チップと思われます。以下はこの部分の拡大写真です。

チップ部分の拡大写真

チップ部分

黒いプラスチックのようなもので覆われた部分にチップがあると思われます。またコイルのパターンの他に、コンデンサと思われるパターンもありました。全体的にNFCやFeliCaのアンテナパターンと類似しています。同じ程度の周波数、おそらくは13.56MHzで動作するRFIDタグと思われます。13.56MHzは波長にすると22mくらいになりますから、電波ではなく電磁誘導で電力を得て、応答するタイプのRFIDタグです。

iPhoneから読んでみる

アンテナ形状からNFCに近いタグと思われたので、iPhoneのNFC機能で読めるかどうかを試しました。その結果、少なくともIDは読めるようです。iPhoneのNFC機能を使ってHomeKitを制御する方法を以前紹介しました。

これと同じ方法で、iPhoneのショートカット.app経由でHomeKitデバイスをコントロールします。

以前の記事で紹介したように、ショートカットは、iOSとmacOSの標準アプリです。元々はiPhone用アプリで、手順を一つのアイコンにして、iPhoneの画面に表示するアプリでした。CUIの世界のバッチファイルとかスクリプトのような存在です。HomeKitのスマートホームのコントロールも提供してます。現在は、色々なイベントをきっかけに動作するオートメーション機能などが充実してます。iPhoneにはNFCリーダーが搭載されているので、登録したNFCタグを読み込んで、それに対応するショートカットを実現可能です。

iPhoneがNFCタグを読んだことをきっかけに動作するオートメーションを作成するには、ショートカットの画面下にある、「オートメーション」ボタンをタップします。画面右上の+ボタンをクリックすると、新規のオートメーションを作成できます。ここでは、「個人用オートメーション」と「ホームオートメーション」の選択肢が現れます。NFCをきっかけとして動作するオートメーションは、そのiPhoneだけで動作するタイプの「個人用オートメーション」ですので、これを選択します。

次に、オートメーションを起動するトリガー一覧が表示されます。スクロールしていくと、「NFC 例:”NFCタグをタップした時”」という選択肢があるので、これをタップします。

次にNFCタグをスキャンするボタンが現れるので、これをタップしてスキャンします。

スキャンできるとタグに名前をつけられます。ここではSkidata Tagという名前にしました。

「次へ」をタップすると、アクションをつける画面に移動します。ここで「アクションを追加」をタップします。

「Appを開く」ボタンをタップしてスクロールするとホームが見えるのでこれをタップします。

すると、選択したAppで操作できる項目が現れます。この中から、「”(家の名前)”をコントロール」を選び、この手順の中の「シーンとアクセサリ」の部分をクリックします。これでアクセサリとその状態を選べば、動作の指定が完了します。ここでは、Thread方式LED電球を紫色50%の明るさで点灯させるという動作を指定しました。

完成すると、作成したオートメーションが表示されます。

「実行の前に尋ねる」というスイッチをoffにすると、iPhoneでNFCタグを読むと、すぐにLED電球が点灯するようになります。

これで、使い終わったリフト券を有効活用できます。以前紹介したコイン型のNFCタグよりも、アンテナが大きいためか感度が良く、多少位置がずれても応答します。コイン型のNFCタグはAmazonで単価30円くらいでしたが、カード型のNFCタグは単価100円くらいでした。使い捨てのリフト券は、Amazonの商品よりも薄くてペラペラですが、スキー場で使えるようにある程度の防水加工は施されているようですので、屋外でも使用可能と思います。

まとめ

keytixのロゴがあるスキー場リフト券は、NFCカードでした。iPhoneのショートカットのトリガーとして使えました。今回はLED電球を点灯させるだけですが、防水性能も期待できるので、例えば玄関の外に貼って、電気錠を解錠したり、セキュリティシステムを解除したりもできます。ショートカットは、HomeKitだけではなく多数のiPhoneアプリを操作できるので、スマートホーム関連以外でも、いろいろな場面で活用できると思います。

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