Zigbee方式RGBダウンライトをHomeKitから使う

非対応品を使う

Zigbee無線方式のダウンライトを、Zigbee2MQTTとペアリングして、Homebridge経由でHomeKitから使いました。

ダウンライト

ダウンライトって思ってたより安いのですね。パナソニックや東芝ブランドの製品でも、物によってはAmazonで2,000円未満でした。AliExpressには10個で送料込み2,102円なんてのもありました。古い電球型ダウンライトは、LED電球に取り替えるのではなくて、LEDダウンライトに置き換えても良いかもしれないです。LEDにすれば、照射面もフラットになってカッコいいです。

さらにAliExpressを見ていたら、Zigbeeに対応したスマートダウンライトがたくさん見つかりました。Tuyaのロゴがついている物も多いので、Zigbee2MQTTにも接続できるはずです。ということで、安いフルカラーダウンライトを試してみることにしました。AliExpressで送料込み1,981円です。 10個で2,102円に比べたら高いですが、スマートじゃない国産製品と同じくらいの価格です。

ちなみにこれは最下位の5W製品の価格で、最上位の15W製品は2,756円です。また、Zigbee版の他に、Wi-Fi版もあります。Wi-Fi版はおそらくはTuyaのクラウドサーバと連携して使う必要があって厄介ですし、サブスク料金がかかる可能性もあります。多少高価ですがZigbee版の方が扱いやすいです。

開封

茶色の紙箱に入って届きました。本体の他に、マニュアルが入ってました。他に付属品はありません。

開封

裏側に仕様が刻印されています。100-240V/50-60Hzとなってますので、日本の電源に対応してます。

裏面

横から見ると、下の写真のようです。奥行きは、結構あります。一番深い部分で、天井板下面から58mm程度です。ただ、AliExpressを見ると、もっと薄型の商品も多数売られているようです。天井裏に余裕の無い場合は、それを選べば良いです。バネ付きのレバーのような部品が見えますが、これで天井の中に固定します。

横から見た様子。開口サイズ70-80mm, 高さ60mm程度

背面の赤いカバーの中には、ターミナルのネジのようなものが見えます。

ターミナルがあるなら、そこに電源線を接続できるかもと思い、カバーを外してみました。

ターミナル部品は入ってませんでした。電源ケーブルが中で直に接続されているようです。カバーのギザギザ部分で、ケーブルが固定されてました。これ以上は、簡単には分解できなさそうでした。そっと閉じて、元通りにしておきました。

HomeKitへの接続方法

Tuya準拠の製品なので、以前紹介したMOESのZigbee-Matterゲートウェイを使えば、Matter照明としてHomeKitから使えると思われます。

MOESのZigbee-Matterゲートウェイを使ってみる
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でも今回も、メーカー非依存で柔軟に対応できるZigbee2MQTTを使います。このために、Raspberry PiにZigbee-USBアダプタを取り付け、Zigbee2MQTT, Mosquito, Homebridgeを入れ、z2mプラグインを使います。

これらの設定に関しては、以下をご覧ください。

HomeKitでZigbeeを使う:Zigbee2MQTTを導入する
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ペアリングする

ダウンライトを天井に取り付ける前に、HomeKitから使えることを確認しました。そのために、コンセントのプラグを取り付けました。これをコンセントに接続すると、すぐに点灯しました。

工場出荷時状態では、電源を入れるとすぐにペアリングモードになります。本体裏からみえる内部のLEDが点滅し、また照明部分も点滅します。ペアリング済みの状態から、再度ペアリングモードにするには、本体電源を10秒以上Offにした後、3回On/Off、つまり、ON-OFF-ON-OFF-ONと繰り返します。この時、それぞれのON, OFF状態を 2〜4秒保ちます。その後しばらくすると(多少待たされます)点滅してペアリングモードに入ります。

一方、Zigbee2MQTTは、webインタフェース右上のPermit join (All)のメニューをクリックすると、5分間ペアリングモードになります。

こうして、双方をペアリングモードにして、近づければ、ペアリング手順が開始します。Webインタフェースに、完了のメッセージが出れば、ペアリング成功です。ペアリングが終了すると、以下のようにダウンライトを確認できました。写真は違う製品のようですが、中のチップが同じで、同じ動作をする製品と思われます。

HomeKitから使う

Zigbee2MQTTとペアリングできれば、HomeKitから使えます。MacやiPhoneのホーム.appに、ダウンライトが照明として現れます。以下は、HomeKitでの名前を「ダウンライト」に変更した後のスクショです。

   

電球アイコン部分をクリックするとOn/Offします。それ以外の部分をクリックすると、詳しい調整ができます。

下の丸は、プリセットされた色候補です。右端の丸をクリックすると、色、温度、色見本から調整できます。

取り付ける

HomeKitからの動作が確認できたので、いよいよ天井に取り付けます。天井板に、80mmの丸穴を開ければ、ピッタリとはまります。石膏ボードの天井で、下地の角材がない場所を探します。今回、AliExpressにしては高級品の下地探知機を使ってみました。

Type-Cで充電できて、表示データも豊富です。表示言語として日本語も選べます。大昔に買ったアナログな下地センサーに比べて検出確度が高いです。

80mmのホールソーも持ってなかったので、Amazonで一番安かった製品を買いました。相手は石膏ボードなので、性能は問題ないです。

          

丸穴を開けて、ダウンライトの留め具を穴に押し込むように嵌め込めば、取り付け完成です。なお、配線は、天井裏の適当な場所に取り付けた仮設コンセントに接続することにしました。

これで、HomeKitコントロール可能なダウンライトが完成しました。この先はおまけです。

Zigbee2MQTTから使う

一般にHomeKitが提供する機能は、Zigbeeが提供する機能のサブセットです。なので、HomebridgeのZ2Mプラグインは、Zigbee2MQTTで操作できる機能の一部だけをHomeKit側に橋渡ししてます。そこで以下では、Zigbee2MQTTのwebインタフェースから操作して、HomeKitで定義されているカラー照明設定以外の、設定を試してみます。

Effectの項目には、照明変化の効果を選べます。でも試してみると似たり寄ったりな感じです。blinkもbreatheもokayも、明度がゆっくり1回変化するだけのようです。項目は用意されているけど、ちゃんと実装されていないのかもしれません。

colorloop効果は、色が次々と変化を繰り返して、面白いです。もっともすぐに飽きそうですが。

MQTTから使う

MQTTブローカーであるMosquittoに直接アクセスして、機能を使うこともできます。MQTTから使えるので、Pythonなどのプログラミングから制御するのも簡単です。Zigbee2MQTTを使う1番のメリットかもしれません。

まずは、動作確認のために、Raspberry Piにターミナルでssh接続して、mosquitto_subコマンドを起動しておきます。その後、HomeKitからOn/Off操作した後の様子が以下です。なお、IDを9999999999999999としてますが、実際にはデバイスのIDにします。MQTTブローカーアドレスは、同じマシンなので省略してます。

$ mosquitto_sub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/# -v
zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set {"state":"ON"}
zigbee2mqtt/0x9999999999999999 {"brightness":89,"color":{"hue":32,"saturation":83,"x":0.4632,"y":0.4113},"color_mode":"color_temp","color_power_on_behavior":"initial","color_temp":375,"linkquality":32,"state":"ON"}
zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set {"state":"OFF"}
zigbee2mqtt/0x9999999999999999 {"brightness":89,"color":{"hue":32,"saturation":83,"x":0.4632,"y":0.4113},"color_mode":"color_temp","color_power_on_behavior":"initial","color_temp":375,"linkquality":40,"state":"OFF"}

これによると、setトピックスに{“state”:”ON”}または{“state”:”OFF”}を送れば、On/Offできることがわかります。(ちなみに{“state”:”TOGGLE”}を送ると、On/Offが入れ替わります)また、setにトピックスを送ると、ルートのトピックスに、ダウンライトの状態が返ってくることもわかります。

ダウンライトの状態の項目の大半は、これもsetトピックスにjson形式で送れば指定できます。先ほどのmosquitto_subコマンドを動かしたターミナルウィンドウとは別ウィンドウを開き、そちらでもssh接続し、mosquitto_pubコマンドを動かして試してみます。例えば、stateをONにして、brightnessを100にするならば、mosquitto_pubコマンドで以下のように指定できます。色温度や、カラーの指定も同様です。

$ mosquitto_pub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set -m '{"state":"ON"}'
$ mosquitto_pub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set -m '{"brightness":10}'
$ mosquitto_pub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set -m '{"brightness":100}'

colorやcolor_tempも、上記の、ダウンライトから返ってくるjson形式に合わせて、stateやbrightnessと同様に指定すれば、設定可能です。詳しくは以下のZigbee2MQTTのページに書かれてます。

Tuya TS0505B_1 control via MQTT | Zigbee2MQTT
Integrate your Tuya TS0505B_1 via Zigbee2MQTT with whatever smart home infrastructure you are using without the vendor's...

色の指定は、x,yだけでなく、RGBを10進数で指定したり、16進数で指定することができます。色温度もcoolest, cool, neutral, warm, warmestという単語でも指定できます。

webインタフェースから試したeffectは、以下のようにして指定できます。これもwebインタフェースと同じく、colorloopくらいしかめぼしいものはないです。

$ mosquitto_pub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set -m '{"effect":"blink"}'
$ mosquitto_pub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set -m '{"effect":"breathe"}'
$ mosquitto_pub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set -m '{"effect":"okay"}'
$ mosquitto_pub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set -m '{"effect":"colorloop"}'

また、以下のようにすると現在の明るさが40増えます(マイナスにすれば減る)。

$ mosquitto_pub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set -m '{"brightness_step":40}'

さらに、以下のように指定すると現在の明るさが毎秒40だけ増えていきます(マイナスにすれば減っていく)。

$ mosquitto_pub -t zigbee2mqtt/0x9999999999999999/set -m '{"brightness_move":40}'

このように、色々な効果で照明を変更するMQTTメッセージが用意されてます。

まとめ

TuyaのZigbee対応RGBダウンライトを使ってみました。Zigbee2MQTTにペアリングして、Homebridge経由でHomeKitからカラー照明として使えました。徐々に照度を変化させたり、順番に色を変更するなどの機能は、HomeKitにはないので使えません。ただ、RGBカラー照明って、使い所が難しくてあまり要らない気はします。色温度を変える機能だけの照明器具で十分な気がします。

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