古いBoseのBluetoothスピーカーを引っ張り出したら、電源が入りません。押しボタンスイッチも不調でした。そこで、簡単に修理しました。
このスピーカーは2011年発売の、Bose SoundLink Wireless Mobile SpeakerというBluetooth接続の製品です。10年ほど使っていなかったので、充電電池は空っぽです。そこで、ACアダプタを接続したのですが、動作しません。バッテリー状態を示すLEDが赤色高速点滅してますが、充電される様子もありません。ボリュームupのボタンを押しても、クリック感が無いのも気になりました。ボリュームは、動作しなくてもBluetooth接続元から調整できるので問題ありませんが、電源が入らないのは致命的です。音も良かったですし、革ケースに入ったトランジスターラジオのようなレトロな外見も気に入っていたので、ぜひ復活させたいと思いました。
SoundLinkシリーズ
Bose SoundLinkシリーズは、2009年から展開されている、バッテリー内蔵の無線接続スピーカー製品群です。初代モデルは、専用USBアダプタを使った独自の無線規格を採用してました。2代目のSoundLink Wireless Mobile Speaker以降は、Bluetooth接続になってます。
SoundLinkのBluetooth対応シリーズは以下のように変遷してます。
- 折りたたみカバーのあるSoundLink Wireless Mobile Speaker (2011) と後継のBluetooth Mobile Speaker II (2012), Bluetooth Speaker III (2014)
- 大ヒットした小型で横長のSoundLink Mini (2013), と後継のMini II (2015), Mini II Special Edition (2019)
- 円柱型のSoundLink Revolve (2017) などの防滴モデル,
- 現行モデルでラジカセみたいな形のSoundLink Max (2024) などの防水モデル,




(左から、2代目 2011, Mini 2013, Revolve 2017, Max 2024)
どれも、見た目よりもずっしりと重いです。しっかりと密閉されたエンクロージャー(スピーカーボックス)を持ち、ボックス内圧の変化で振動するドロンコーンで低音を強化しています。さらには、Revolveあたりから防水機能を強化していて、密閉度が上がり、分解が難しくなってます。DIYで分解修理するとしたら、SoundLink Mini II以前のモデルが適していると思います。
バッテリー不具合
SoundLinkの、特にMini II以前の古いモデルで多く発生している不具合が、バッテリー管理システム (BMS) に関する不具合です。長期間使用しないなどの理由で、内蔵のリチウムイオンバッテリーが空になると、BMSがバッテリー機能を全てロックします。この時、バッテリーの状態を示すLEDが、赤色点灯したり、高速点滅します。こうなると、ACアダプターを接続しても、充電できません。ACアダプター給電のスピーカーとしても、機能してくれません。しばらく放置するだけで、もれなく使用不可能になってしまうという、重篤な弱点だと言えます。実際、BMSロックがかかった製品が、フリマサイトやネットオークションで、動作しないジャンク品として、格安で出品されています。音質の良いBluetoothスピーカーを入手したい人には、お買い得かもしれません。
BMSロックを解除する方法はいくつか紹介されています。Boseのサイトで公開されているファームウェアを使って、アップデートすると直ることがあるそうです。ただし、Mini以前のモデルは、ファームウェアの公開が終了しているので、この方法は使えません。また、ACアダプタを抜いて何日か放置する、もしくは接続したまま放置するなどで直ることもあるらしいです。それらを試してみましたが、手元のSoundLinkスピーカーは復活しませんでした。
ロックを確実に克服する方法は、BMS自体を交換してしまうことです。BMSは、バッテリーユニットの中に組み込まれているので、バッテリーを新品に交換すると、BMSも新しくなります。今回のような、古い製品のバッテリーは、Boseからすでに供給されていませんが、幸いなことにAliExpressなら3,200円くらいから、Amazonでは、3,900円から6,000円くらいで売られてます。使用されているバッテリーの型番を含めて、例えば「Bose SoundLink 330105」とか「bose soundlink mini 061384」などと検索すると、多数見つかります。
バッテリー交換の難易度
バッテリー交換の難易度は、SoundLinkのモデルにより色々です。以下のモデルは、わかりやすい場所にあるネジを数本外すだけで、バッテリーユニットを交換できます。バッテリと本体の接続は、ソケットになっているので、単に抜き差しするだけです。このうち、Mini以外の3モデルは、330105などの型番を持つ、共通のバッテリーを使っています。Miniのバッテリー型番は、061384などです。
- SoundLink Wireless Mobile Speaker (2011)
- SoundLink Bluetooth Mobile Speaker II (2012)
- SoundLink Bluetooth Speaker III (2014)
- SoundLink Mini (2013)
Miniの後継機種である、
- SoundLink Mini II (2015)
- SoundLink Mini II Special Edition (2019)
になると、難易度が上がります。バッテリー本体部分は、初代Mini (2013) と同じですが、コネクターではなく、ハンダ付けに変わっています。そのため、両面テープと爪で固定されたフロントグリルを取り外し、スピーカーユニットを外し、バッテリーユニットのケーブルをハンダ付けする必要があります。ただ、ファームウェアが今も公開されている機種なので、ファームウェアアップデートで対応できるかもしれません。
これ以降の機種、Revolveや現行機種などは、防水機能を備えているので、分解の難易度がさらに上がります。分解できても、元の防水性能を再現することは難しいかもしれません。
もしネットや中古店で、BMSロックした格安品を手に入れて、バッテリー交換修理を目指すならば、初代Miniまでの機種が簡単です。でも簡単すぎるので、Mini 2に挑戦しても良いかもしれません。ちなみに、MiniとMini IIの見分け方は、上部の押しボタンの数です。ボタンが6個ならばMini、5個ならばMini IIです。どちらも本体表記はSoundLink Miniなので、サイトの出品者が間違えていることも多いです。


( 初代Mini 左、と Mini II 右)
バッテリーの交換
SoundLink Wireless Mobile Speakerの交換バッテリーを、AliExpressで購入しました。送料税込で3,424円でした。Amazonだと、3,900円から6,000円くらいのようです。最安商品を比較すると、AliExpressとAmazonでは、数百円くらいしか違わないのですが、納期は同程度でした。それで安いAliExpressにしました。

おまけとして、工具がたくさん同梱されていました。ドライバーは、どれもサイズが合わなくて使えないのは残念でした。刷毛もついていて、内部の清掃用に欲しかったので、これはありがたかったです。

Boseのバッテリーと比較します。上が今まで付いていたバッテリーで、下が今回買ったものです。

新しいバッテリーには、BOSEのロゴと、PSEマークがありません。BOSEは、バッテリーをもう生産していないので、ロゴが無いのは当然です。バッテリー容量は、純正品が2,100mAh、今回の製品が2,300mAhです。Amazonの製品は、少し高いですが、PSEマークがついているように見えますので、気にされる方はそちらの方が良いかもしれません。
バッテリー交換するためには、スピーカーのカバーを外します。以下の3枚の写真は、ifixitからの引用です。まずは、2.5mm六角レンチで、底にあるネジを2個外します。
次に、カバーを上にずらします。
すると、ねじ止めされたバッテリーを外せます。バッテリーは、端子に差し込まれて接続されているので、引くだけで外せます。
次に、新しいバッテリーを挿入して、ネジを戻すだけです。これで、バッテリーマークの赤色高速点滅は止まり、充電できるようになりました。また、スピーカーの電源を入れられるようになり、正常に動作しました。
押しボタンSWの修理
バッテリー交換も難なく終わったので、次に押しボタンスイッチの不具合を直します。本体上部の押しボタンは、押すとクリック感があります。しかし、一番端の、音量upボタン(+マークのボタン)だけは、押しても手応えがありません。最悪、中のタクトスイッチのバネ部分が、金属疲労で壊れているのかもしれません。そこで、ボタンの修理を試みました。
まずは、バッテリー交換の要領で、革カバーを外します。次に、裏側にある、2箇所のネジを外します。以下の4枚の写真も、ifixitの別のページからの引用です。
これで、上面のスイッチカバーを固定していたネジを取り外せました。ただ、カバーは本体と噛み合わせにもなっていて、このままでは外せません。カバーと本体の隙間をよく観察すると、5mm程度の窪みが数箇所あります。これに、プラスチックヘラなどを差し込んで、少しずつ、慎重に持ち上げていきます。スピーカー本体の端の窪みから初めて、中央の窪みに向かって、順番に少しずつ持ち上げていきます。
さらには、反対側の端の窪みから、また中央に向かって、順番に少しずつ持ち上げていきます。その結果、上面スイッチのカバーが外れました。
カバーが外れると、スイッチ銘板(指で押す部分)も、持ち上げることで外れます。
スイッチ板の下には、丸穴が開いていて、その中に黒いプラスチック突起のついた、タクトスイッチが見えました。(ここから先は、実際の写真です)

下は、秋月電子のページにあったスイッチの写真ですが、多分これに似たタクトスイッチが、穴の内部にあるのだと思います。プラスチックヘラの先で押してみると、クリック感があります。タクトスイッチは、正常のようです。

よく観察すると、赤くマークした付近で、ケースを密封しているコーキング剤のようなものが、隙間からはみ出していました。それでこれを、ヘラで削って除去しました。下の写真は、除去後の写真なので、はみ出したコーキング剤は見えません。

この、粘着性のあるコーキング剤が、押しボタンスイッチの押下を妨げていて、タクトスイッチを十分に押せていなかったのだと思われます。除去したところ、クリック感が得られるようになりました。タクトスイッチの交換を覚悟してましたが、呆気なく修理できました。
まとめ
古いBose SoundLink Wireless Mobile SpeakerというBluetooth接続のスピーカーを使おうとしたら、充電電池が空で動作しませんでした。そこで、リチウムイオン電池をAliExpressで購入し、交換しました。その結果、動作するようになりました。
また、ボリュームupのボタンのクリック感がありませんでした。これは、分解して、はみ出していたコーキング剤を除去したら直りました。
Boseの古いBluetooth携帯スピーカーは、バッテリーが空になると、BMSが動作し使用できなくなる弱点があります。フリマ・オークションサイト、中古店などで、BMSロックした製品を入手して修理すれば、音質の良いスピーカを格安で入手できるかもしれません。



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